kagemiya@なりきり

MELTY BLOOD企画SSスレ / 24

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支とともり・吸血(2) 2024/02/20 (火) 22:04:24

「キミが深く傷をつけすぎなんだ。喋っている時間ももったいない。ミナはもう少し上手く吸ってたぞ」
「それは、悪かったけど」

なんでそこであの死徒の子の名前を出すのか。
自分があの美しさと比べられたような気持ちになって、少しむっとする。

「それでも心の準備ってものがあるんだよ。いきなり来られると、ほら、反射的にきみを押しのけたり………殺しちゃう、かもしれないし」

意趣返し、ではないが。少しばかり脅しを混ぜたような言葉を続ける。
だが。

「無いな。そんな『うっかり』は僕には起こらない」

鼻で笑われた。
これでは本当に眼中にないと言われている気分だ。

「ああでも、不満だと言うならそうだな。じゃあ次、血をやる時は、互いに吸い合いながらにするか?」

互いに?
向かい合い、抱き合って、首元に顔を寄せ合う光景を幻視する。
少し冷えてたはずの頬がまた赤くなり出す。

「それはそれで……ちょっと……」
「不満なのか?なら…………ん。まずいな、頭が回らなくなってきた。クソ、今日はもう寝る。朝まで起こすな」

支は立ち上がると、すぐ横にある自分のベッドに寝っ転がる。
話の途中で置いてけぼりを食らったともりは、少し口を尖らせたが、原因を作ったのは自分であるため、これ以上の文句は言えない。
小さくため息をつく。
そして早くも寝息を立て始めた(寝るというよりも気絶してないだろうか?)、支の姿を眺める。

「ん……」

身体の中に取り入れた彼の血が、全身を回っているのが分かる。
今さっき吸ったばかりなのに、まだ欲しい、まだ飲みたい、まだまだ。という欲求が胸の内から湧いてくる。
これは、そう、誰かが言っていた『吸血衝動』というやつなのだろうか。わからない。
無意識に、先程牙を突き立てたうなじをみやる。
あと一口くらいもらっても大丈夫かな?いや、これ以上はさすがに彼の命に関わる。我慢しなければ。
ああでも、飲まなければこの渇きが癒えそうな気はしない。なにか、せめて何か、いっそ血じゃなくてもいい。体液ならそれで。

『━━━━━━繁殖もできない化物なのに━━━━━』

ふと、以前支に言われた言葉を思い出す。
繁殖。体液。異性。
うなじから外れた目線は、そのまま胸、腹を通り過ぎ、下半身に止まる。
ごくりと喉が鳴る。
死徒になって以降、滅多なことでは乱れなかった心音が、どんどん激しくなっていく。
すぐに塞がったはずのうなじが熱い。
自分は死徒。彼は人間。
生殺与奪は私が握っている。にも関わらず、こんなにも無防備に肉体を晒している。
この家には私と彼の2人きり。
今の彼には意識が無い。
脳内でどんどんと条件が羅列されていく。『それ』に及ぶ際の障害がどかされていく。
ああ、もうダメだ。
頭の中の枷が吹き飛び、支の服に手をかけかけて、

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