仏道の『阿頼耶識システム』

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法介 2024/11/12 (火) 17:28:34

唯識では有根身と器世間と種子(業)の関係がどのように説かれていますか?

唯識思想において、「有根身(ゆうこんじん)」「器世間(きせけん)」「種子(しゅうじ)」は、個人の存在や経験、そして外界の世界との関係を説明する重要な要素として説かれています。これら三つは、個々の意識とその結果として現れる世界がどのように構成されるか、またそれらがどのように因果の法則に基づいているかを理解するための概念です。以下に、それぞれの関係性と役割を詳しく解説します。

1. 種子(しゅうじ)とは何か?

「種子」とは、過去の行為や経験が潜在的な形で心の中に蓄積され、未来の現象として結果を生み出す因であるとする唯識の基本概念です。これらの種子は「アーラヤ識」(阿頼耶識)という無意識の層に蓄えられ、時が来ると発現し、個々の経験や環境を生じさせます。種子は、一つ一つが特定の現象や経験に対応しており、心の働きによって発動されてその現象が現れます。

  • 因果の法則
    種子は業(カルマ)の結果として蓄積され、因果関係の法則に基づいて新たな現象や経験を生じます。つまり、過去の行為が原因となり、未来の結果が生じるという法則に従い、意識や身体、環境が生み出されます。

2. 有根身(ゆうこんじん)とは何か?

「有根身」とは、私たちの身体とそれを支える感覚器官(眼・耳・鼻・舌・身・意)を指します。唯識においては、感覚器官が物理的な対象と接触して知覚や感覚が生まれるとされていますが、これはただ外界の対象を反映しているわけではなく、種子から発現したものとされています。

  • 種子と有根身の関係
     身体や感覚器官そのものも、過去の業から生じた種子によって形成されており、根本的には心によって生み出されるものと考えられます。有根身は心と外界を結ぶ役割を果たし、種子によって決定づけられた因縁のもとで機能します。

  • 身体と心の相互作用
     身体が持つ感覚器官は、外界を経験する手段であると同時に、心によって作り出されたものでもあります。したがって、身体や感覚が得た情報は、単なる物理的反応ではなく、心の影響を受け、心にまた新たな種子を植え付ける形で関わります。

3. 器世間(きせけん)とは何か?

「器世間」とは、私たちが住む物質的・環境的な世界、すなわち「外界」のことを指します。しかし、唯識においては、この外界もまた心の働き、特に阿頼耶識に蓄えられた種子から発現したものとされています。

  • 器世間と心の関係
     唯識では、器世間は独立した物質的な世界として存在するのではなく、各個人の心の働きによって経験される現象であると考えます。つまり、私たちが見ている外界は、心に蓄積された種子が結果として生み出している現象であり、「主観的な心が見せる世界」とされます。

  • 共業と器世間
     器世間の形成には「共業(ぐうごう)」と呼ばれる共同の業が関係しています。つまり、器世間は個人の心が生み出したものではなく、多くの人々の業が合わさることで、共同の現象として現れるとされます。これにより、同じ世界や環境を共有する経験が生まれるのです。

4. 種子、有根身、器世間の相互関係

これら三つの概念は、互いに深く関係し合っています。種子が発現することで、有根身が生じ、外界である器世間が体験されます。そして、この経験がまた新たな種子を生み、因果の輪が続いていくのです。

  • 有根身と器世間の相互依存
     有根身は器世間を通じて感覚を得て、その感覚が心に作用し、心に新たな種子が植え付けられます。器世間もまた心が生み出す現象であり、心がそれを感覚し、認識することで、器世間が成立します。

  • 種子の連続的な展開
     種子は常に心の中で発芽し続け、有根身や器世間を形作ります。心が外界を経験するたびに、また新たな種子が心に蓄積され、未来に新しい現象や身体、環境として現れます。このプロセスにより、唯識における因果の連鎖が維持されます。

まとめ

唯識では、種子がすべての存在の基盤となり、それが発現することで身体や外界の経験が生まれると考えられます。有根身は種子から生まれた感覚器官であり、器世間を認識する手段となり、器世間そのものもまた種子から生まれる現象とされます。この三つの概念は、個人と環境が心の働きによって構成されていること、またそれらが相互に影響し合いながら連続的に存在することを示しています。

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