『小空経』と『大空経』についてお尋ねします。どのパーリ仏典の中でそれぞれ説かれてますか?また漢訳経典でしたらどの経典に収録されてますか?
『小空経』と『大空経』は、初期仏教のパーリ仏典に含まれる重要な経典です。それぞれ、空性(空)についての教えを説いた内容となっており、仏教哲学における「空」の概念の理解に役立ちます。
1. パーリ仏典における位置付け
『小空経』(Cūḷasuññata Sutta)
パーリ仏典の『中部』(Majjhima Nikāya, 中部経典)の第121経に収録されています。この経典では、比丘(僧侶)が心を落ち着け、段階的に空の境地を体験していく瞑想のプロセスが説明されています。『大空経』(Mahāsuññata Sutta)
パーリ仏典の『中部』(Majjhima Nikāya, 中部経典)の第122経に収録されています。この経典では、僧侶たちに対して「空」を中心とした生活態度と瞑想の実践を説いています。特に「多くの人々と交わることを避け、簡素であるべき」という教えが強調されています。
2. 漢訳経典における対応する経典
漢訳仏典には、パーリ仏典に直接対応する訳もあれば、部分的に内容が反映されたものもあります。『小空経』と『大空経』に対応する漢訳は以下の通りです:
『小空経』
『中阿含経』(T26, 中阿含)第190経「小空経」として収録されています。内容は、パーリ原典とほぼ一致しており、「空性」を瞑想を通じて段階的に理解する教えが中心です。『大空経』
『中阿含経』(T26, 中阿含)第191経「大空経」として収録されています。こちらもパーリ原典に基づき、僧侶の実践と「空性」に基づいた生き方を強調しています。
3. 補足情報
「小空経」と「大空経」はいずれも、仏教思想における空の概念を瞑想と実践を通じて理解することを説いた重要な経典です。漢訳経典では『中阿含経』の構成がパーリ仏典の『中部』に非常に近いため、両者は対応関係が明確です。
パーリ仏典と漢訳仏典の内容比較やさらなる解説が必要でしたら、ぜひお知らせください!