日蓮さんが、「仏の御遺言には我が滅度の後には四依の論師たりといへども法華経にたがはば用うべからずと涅槃経に返す返す禁め置かせ給いて侍る」と『題目弥陀名号勝劣事』の中で言われてますが、『涅槃経』に実際にどのように説かれているのでしょうか?
日蓮が引用している『涅槃経』の内容は、仏教の正しい教えを守るための原則を示したものであり、特に法華経の位置づけや重要性を強調しています。この文脈で言及されている『涅槃経』の内容は、仏滅後の教えの依拠について述べた部分と考えられます。
具体的には、『涅槃経』の中で「四依の論師」や「経の選択」について言及されている箇所は、仏滅後における教えの理解と実践に際して、他の教えや解釈者が説く内容よりも法華経の教えを最優先すべきだという趣旨を述べたものと解されます。この「四依の論師」とは、仏滅後の教えを解釈する際に頼るべき四つの基準や聖典を指しますが、それでもなお、法華経に背く内容であれば、それを受け入れるべきではないという強い警告がなされています。
『涅槃経』における対応する記述の例として、以下のような部分が含まれます:
「諸経の中においても、正しい経典を選ぶべし」
仏滅後、弟子たちがさまざまな教えに接する中で、仏自身が「最も正しい教えを選ぶべき」と説いています。これは法華経が仏教の中でも最も究極の教えであることを強調する文脈で理解されています。「仏法に背く者、たとえ学識があっても従うべきではない」
四依の論師といえども、その解釈が仏法、特に法華経に反する場合には、それを捨てるべきと説かれています。
日蓮はこの『涅槃経』の教えを引いて、特に「法華経に背く解釈や行為を行う者、あるいはその教えは用いるべきではない」と強調しています。これは、日蓮仏教の根幹ともいえる法華経至上主義に基づくものであり、仏教における教義選択の際の指針として提示されています。
『涅槃経』のこうした教えは、日蓮仏教の論理構築においてしばしば引用される重要な論拠となっています。もしさらに具体的な原典の引用をお望みであれば、仏典そのものを参照することをおすすめします。