ヤマノスしゃべり場

SSスレ / 332

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場面が進み、マタギがシロをなめた時、タタラは笑っていた。
実は、当初ここで違和感を抱いた。「あれ、怒らないの?」と。
シロにちょっかいをかける与次郎にはきつく当たっていたのに、である。

そこで考えると、タタラにとってシロとマタギは好きな相手、与次郎は嫌いな相手に大別できる。
ここから、タタラの中では、好きな人に嫌いな奴が近づくのは許せないが、
好きな人同士が仲良くするのはOKなのだろうと推測し、納得した。

立ち戻って、マタギがヒトツメに得物の修理を頼む場面はどうか。
タタラにとってのヒトツメは、無論好きな相手になるだろう。
口ではともかく、大事に思い、守りたいと思っている描写は少なくない。

推測に従うなら、二人の距離が縮まることはタタラも歓迎するはずなのだが、
蓋を開けてみればあの反応だったわけである。話が違うじゃねーか。
いや、これはヒトツメがタタラの妹、言わば「下」の存在であることが大きいと見る。

当然ながら、タタラがヒトツメを見下しているというわけではない。
先述のヒトツメを守るという思いは、姉としての自覚にも拠るのだから。
しかし、兄弟姉妹とは、生まれつき上下関係を規定してしまうものである。

マタギが「姉」である自分より「妹」の方を頼っている――
マタギが自分を見ていないというだけでも辛いのに、突如現れたライバルが、
今まで守るべき存在と思っていたヒトツメだったのだ。
困惑、嫉妬、焦燥。ショートしたタタラの感情は、激しいWSSを発症させた。

画像1
       あっぶね~

ヒトツメが空気を読んだからうまく収まったものの、
調子に乗って依頼を受けていたならば、タタラは更に暴走していたのではないだろうか。
人気のない場所に呼び出し……平手打ち……泥棒猫……
ううっ(ゾクゾク)

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