(雑貨屋、ナイフで不意打ち)
萩原「うわぁっ!」
雑貨屋「おっと……避けられましたか」
萩原「ちょっ、なんでナイフなんか……」
雑貨屋「先に起きた特権ですよ」
萩原「な、なんで……そんな簡単に人を……」
(雑貨屋、萩原が戸惑ってる隙にナイフをブンブン振ってくる)
萩原「チッ……」
(持ち前の動体視力と合気道の歩法で、なんとかギリギリ避けていく萩原)
萩原(合気道しててよかった……!)
雑貨屋「よく避けますね。ですが、それもいつまで続きますかね」
萩原(確かに、腕だけを動かす雑貨屋と体を動かす俺。スタミナの消費は明らかに俺の方が速い)
萩原(痛みには慣れてる! いちかばちか捨て身の戦法で……)
雑貨屋「今、少しくらいの切り傷なら構わないから強引にでも組み付いてこちらの動きを止めよう、とか思ってませんか?」
萩原「っ!」
雑貨屋「図星ィ! 残念! このナイフ、実は言うと即効性の毒が塗られていて、少しでもかすると貴方は身動きが取れなくなります!」
萩原「くそっ!」
雑貨屋「貴方は詰んでたんですよ!!!」
萩原「もうちょっと早く起きておけばー!うあああああああああああ!!!!!!」
雑貨屋「ふははははははははははははは」
(雑貨屋のナイフが疲れ果てて動きに精細をなくした萩原の肩へと突き刺さる)
萩原「っ!!! だったら今すぐお前を落とす!」
(萩原は至近距離に来た雑貨屋の両肩を掴む)
雑貨屋「あ、これはまず━━」
萩原「ふんっ」
(萩原は合気道の要領で雑貨屋をうつ伏せになるように倒す)
雑貨屋「ぐえっ」
萩原「死ね!」
雑貨屋「っ!!!」
(雑貨屋の頭を強く踏みつける萩原。雑貨屋の頭部が少し割れて血が吹き出る)
雑貨屋(まずい……!)
(なんとか身を捻って萩原の足下から脱する雑貨屋)
萩原(このナイフ、抜いたら血が止まらなくなるだろうなぁ。そのままにしておこう)
萩原「おいおい、即効性らしいけどまだ効かねぇぞ?」
雑貨屋「……いやぁ、即効性といっても色々な種別がありまして……」
萩原「どうでもいい。いますぐ殺せばいいだけだ」
雑貨屋「そうそう、そうなんですよ」
雑貨屋(ああ、まずい。ほんとまずい。こうなったらいちかばちかだ……)
雑貨屋「あ! あんなところにツチノコがぁ!」
(驚いた顔でどこかを指差す萩原)
萩原「おいおい。俺はそういう古典的なミスディレクション、あんま好きじゃ……」
雑貨屋「隙あり!」
(何かを投げつける仕草をする雑貨屋)
萩原「!?」
萩原(もう一本あったのか!)
(思わずガードの姿勢をとる萩原)
雑貨屋「ふんっ」
萩原「ぐっ」
(雑貨屋の膝蹴りが萩原の腹部に突き刺さる)
萩原「うぅ……っ」
(距離を取ろうとする萩原の肩からナイフを抜く雑貨屋)
雑貨屋「うおあああああああああ」
(萩原の首を雑貨屋のナイフが切り裂く)
萩原「そ……んな……嫌だ。死にたくない。死にたく……ねぇ……」バタンッ
雑貨屋「ふは、ははははは……ふはははははははははははははははは」
雑貨屋「私の勝ちだあああああああああ」
【勝者、雑貨屋】