毎日新聞社説:森友学園 教育機関と言えるのか
毎日新聞2017年3月3日
果たして教育機関を名乗る資格があるのか。学校法人「森友学園」の実態が明らかになるにつれて疑念が深まる。
学園が運営する幼稚園の運動会で「安倍(晋三)首相がんばれ。安保法制、国会通過よかったです」などと園児に選手宣誓をさせていた。この映像を見て異様さを感じた人は少なくないはずだ。
教育基本法は思想が偏らないよう教育の政治的中立を求めている。園児にこうした宣誓をさせることが法を逸脱しているのは明らかだ。
政治について理解する力が身についていない幼児に、大人の思想を押しつけるのは教育ではなく、まさに洗脳である。
http://mainichi.jp/articles/20170303/ddm/005/070/098000c
毎日新聞社説:朝鮮学校補助金 子供を中心に考えよう
2016年3月31日
子供を中心に据えて考えたい。
重い制裁措置など外交上の圧力は当然だが、それと子供の教育の場への締めつけは別だろう。
学校側も変わる必要はないか。
通知は、学校の教育内容や人事、財政に密接に在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)が影響を及ぼしているという政府認識を前提にした。
指導者礼賛や歴史観などへ違和感を持つ人は過去においても少なくなかった。学校側は、今回は差別問題であり、教育内容は関係ないとの考え方のようだ。しかし、こうした状況も見据え、もっと開かれた学校づくりを試みてはどうか。
朝鮮学校の子供たちは、日本の社会風土に育った。環境も流行も価値観も国籍を超えて重なり合う。
スポーツなどを通じ、親しまれる学校もある。行事を地域社会と協力して催す例もあり、新たな共生の境地を開く余地は十分にあろう。
締めつけより、息長く得るものを求めたい。
http://mainichi.jp/articles/20160331/ddm/005/070/047000c