2016年──日本は平和裏に謎のウイルスに脅かされていた。
このウイルスに侵された人間は身体が変異、新しいパーツが作られる。火を噴いたり、身体が巨大化したりとパーツの内容は多種多様。人によっては憧れすら抱くこのウイルスは世間に公表できるものではない。
とはいえ、このウイルスは時に軍隊ですら引き止められなくなる凶悪なものになったりする。それに立ち向かうのは、毒をもって毒を制すといったところか。同じくウイルスに侵された人間だった。
Colt_M1877
雑火屋
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数年前のこと。
僕に安息の地は無かった。
家は痣を作る場所、学校はその痣をさらに痛める場所。まるで作業の如き百対一のワンサイドゲーム。
殺してやると毎日言われる。奴らはいつでも僕を殺せる。
だが夢の中は楽しかった。既に千回は奴らを殺した。しかし死なない。あまりにも非現実的な無双ゲー。
殺してやろうと毎日思う。僕にそんな力はない。
ある日の朝。目が覚めたら僕は超能力者になっていた。突拍子もない吉報だった。人を殺せる力を手に入れたのだ。
数年前のことだ。
僕が何をしたのかは言うまでもない。
そう、結局何も出来なかった。
あとはずっと鎖で繋がれる日々である。