あらすじ
「ここ...どこだ...?」
「みにたいむとらべる」を使って移動してきた空間
そこは、初めて来たのかもそうでないのかも区別がつかない、なぞのばしょ、オネット。
前編
http://zawazawa.jp/xyz/topic/1886
ぼくって、こんなやつ。
ぼくの名前はニンテン。ちょっとニヒルでネガティブっぽくて、
あんまり人の為になるようなことはしたいとは思わない、ちょっと変わった12歳。
でもママはそんなぼくもだいすき、って言ってたから、たぶんぼくは幸せ者なんだと思う。
すっごく頭がいいけど、エラソーでジコチューな友だち「デク」がいる。
あと、小さい頃から不思議な能力を持っているんだ。この不思議な能力が、物騒な事件と何か関係があるのかも?
ブンブーンって死にかけなのに何度も説明してくれるあいつ?
ブンブーン「いいか、ワシは未来からやってきた。ワシの世界(未来)では、宇宙怪獣ことギーグによって、大変な有様になってしまったのじゃ!」
ブンブーン「そいつのせいで、人は消え、動物は滅び、そして、この町オネットも、いやそれだけじゃなく、全土が荒廃しきった呪われた大地と化してしまったのじゃ!」
雷霆「ギーグって奴は、一体何者なの?そして、どうしてそいつのせいで世界がメチャクチャなの?」
ブンブーン「ここから話が長くなるが...」
ブンブーン「ギーグというのは、宇宙人での。もともとはマリア、ジョージという夫婦の間で育てられてきたただの宇宙人だったんじゃが」
雷霆「マリア?ジョージ?」
ブンブーン「ああ。ギーグの子守役としてスターマンが地上から連れて来た、人間のことじゃ」
ブンブーン「それで、二人の間で確かな愛情を育てられてきたギーグ...」
ブンブーン「だがある日の事。ジョージはそこで重大な情報を盗むという大罪を犯し、新聞記者として働いていた彼は、その情報のこと、ギーグのこと。ありのままをすべて新聞に記載し」
ブンブーン「宇宙から脱走し、その新聞を全国にばら撒いた」
雷霆「ど、どうしてそんなことを?」
ブンブーン「そりゃ、まことしやかにウワサされていたUMAのうちの一種が本当に見つかってしまったワケじゃからな。彼の好奇心に暗い炎でもついてしまったのじゃろう」
ブンブーン「その事に興味が沸いた大勢の人間達は、ギーグ見たさに宇宙へ飛び立つという事件が多発した」
ブンブーン「いや、それだけならまだどうにかなった。だが、観光と言う名目でその情報の真偽を確かめに来る不届き者や、そしてギーグに手を出すという最悪の行為に出た者もおった」
ブンブーン「そして彼らは実際のギーグを知ると、恐れた。宇宙人を我が子のように愛するマリアを。その不気味で異様な愛情を
そして迫害した。宇宙人を愛しただけの彼女を。
彼女は勿論弁解した。だが同じく育てのジョージが居合わせていなかった以上、それも心無い観光者、もとい悪性のウイルスたちの心には届かないものとなった」
ブンブーン「挙句の果てに、そのウイルスたちは彼女を夢幻の王国「マジカント」へ永久追放した」
ブンブーン「この人類の暴挙を見て、ギーグや宇宙人達は勿論激怒した。そしてギーグは人類への逆襲を理由に、地上の征服に出向いた、というのが真相なんじゃ」
ブンブーン「この隕石も、さっき君の隣の少年が言っていたポルターガイストも、全てはギーグの手下によるもの。ということだったんじゃ」
雷霆「そ、そうなんだ...」
雷霆「でもさ、どうしてそんなにいっぱい知ってるの?やっぱり、未来人だから?」
ブンブーン「まぁ、そういうのもあるがーーーーーーーーーーーーーーーーーー
一番は、ワシがお前の未来の姿だからじゃ」
雷霆「...え?」
雷霆「そ、それってどういう...」
ブンブーン「ワシは、お前の未来の姿。実際はこんなハエじゃなく、普通の人間の姿じゃがな」
ブンブーン「だからいっぱい知っていたのじゃ。さっきの夫婦が、自分のひいおじいちゃん、ひいおばあちゃんであることもな」
雷霆「...!」
ブンブーン「やはり分かるか、若かりし頃のワシよ」
ブンブーン「...これ以上話すことはもう無い」
ブンブーン「ワシが何をしてほしいか、キミは何をすればいいか」
ブンブーン「もう、分かったはずじゃ」
雷霆「...つまり、歴史を変えてくれ、と?」
ブンブーン「その通りじゃ。今もギーグは怒りに震えておる。その怒りを沈め、オネットの平穏を、世界の平穏を永遠の者にして欲しい」
雷霆「...で、でも、ぼくがやるの?」
ブンブーン「そうじゃ。「ぼく」がやるのじゃ。正確に言えば、{ぼく含む4人の少年少女}じゃがな」
雷霆「そ、その少年少女って...」
ブンブーン「もうこれ以上は何も言わぬ」
ブンブーン「必ず掴んでくれ、勝利を」
ブンブーン「ではさらばだ」
ブーン
雷霆「...」
雷霆はやっぱり雷霆だったか
あg
ぼくはその時悟った。これはもう壮大な、大冒険なんかじゃなくーーーーーーーーーーーー
宇宙人達による、逆襲劇なのだと。
雷霆「あぁ...」
デク「おい、ニンテン!」
ぴしゃ、と鶴の一声(?)がぼくを小突く。
雷霆「ん、え」
デク「おまえとさっきのハエには、どうやら深い関係があるようだな。明日、いっぱい聞かせてもらうぜ?」
雷霆「やだよ。ぼくだって今何が何だかさっぱりなんだから...」
デク「ま、今日はゆっくり休めや。どちらにせよ明日にはたっぷり事情聴取させて貰うから!」
デク「じゃあ俺は先に帰るね。バイバーーイ!!」
雷霆「はぁ...明日は仮病でも使おうかな?」
雷霆「今日の事、どうしようか...」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
雷霆「ただいま」
ママ「おかえり。どうだった?何か、素晴らしい発見は?」
雷霆「えっとね」
雷霆「(あ・・・どうしよう?言おうかな、さっきのこと、全部。)」
思わず口にするのを躊躇った。こんな夜遅くなんだからやっぱり早く寝たいしーーー、何より、
ママや妹達に余計な心配をさせるのはイヤだし面倒だからなぁ。
雷霆「あ...えっと」
ママ「ううん」
雷霆「?」
ママ「ママは、あなたのこと、分かってるつもりだから。どっと、疲れたんでしょう?」
雷霆「え...?うん」
ママ「明日はデクくん達と野球するんだったよね。詳しいことは明日聞くからさ、だから今日はもうお休み」
雷霆「うん...おやすみ」
ママが照明を消すと、それはもういつもよりも暗く見えて。
歴史を改変するだなんて大層なこと、ぼくにはできっこないって...
意味不明。理解不能。何をすればいいの?どうやって救うの?世界を?
気づいたら、ぼくの心に点いていた灯りが消えた。
ガバッ
チュンチュン
雷霆「・・・朝か」
雷霆「どうしようかな...今日は」
すると。
ママ「ニンテンちょっと来てー!大変よー!」
1階でぎゃあぎゃあと騒ぎ立てるママ。朝から勘弁してよ。
ぼくが1階へ降りてみると・・・異様な光景を目の当たりにした。テレビで。
ママ「ちょっとこれ!何なの!?」
テレビを見てみると、・・・なんだこれは。
ニュースキャスター「先日、シュークリーム動物園で、トラなどの猛獣が一斉に脱走する怪事件が起きました。くれぐれも外出の際は気をつけてください。」
ニュースキャスター「続いては中継の○○さんです。○○さーん?」
ニュースキャスター「・・・あれ、○○さーん?」
ニュースキャスター「おっかしいなぁ・・・」
ザーーーーーーーーーーーーーーー
「大変申し訳ありません。しばらくお待ちください。」
雷霆「え・・・なんなの?これ」
ザーーーーーーーーーーーーーーーーー
その後も、不可解な砂嵐が続いた。
???
一体世界では何が起こっているのか?
脱走?猛獣?怪事件?
一体どのような関係があるというのか。ぼくにはさっぱりだった。
でもこれだけは、誰よりも熟知していると胸を張って言える・・・
世界は今、凶事の兆しを見せている、と。
雷霆「ママ、ぼくちょっと行って来るよ」
ママ「え、どこに!?今は危ないから家に居なさい!」
ママの言いつけを守らないことはたぶんもう...ないと思う。
俺はある場所に向かった。
ドンッ
雷霆「ニュース!聞いたか!?」
デク「聞いたぞ!今、シュークリーム動物園が大変なんだってな!」
デク「んでだな、今からそこに行こうと思う」
雷霆「はぁっ!?」
雷霆「バカ、死にたがり!」
デク「俺には、あるのさ・・・
少年と血塗れた野獣の格差を補って余りある兵器を!」
雷霆「へ、兵器・・・?」
デク「見ろ!」
デク「怪電波だ。身もフタも無い言い方をするならば、キチガイレコード」
見るからに妖しいレコードだ。
デク「これをこうして・・・」ピッ
ピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピコ太郎~♪
ア”イ”ハ”ヴ”ア”ペ”エ”エ”エ”エ”ン”””””””””!!!!
ア”イ”ハ”ヴ”ア”ア”ッ”ポ”オ”オ””オ”””オ”””オ””オ”オ”””””
雷霆「うわぁ・・・」
聴くに耐えない不協和音、否、悪魔の咆哮か何か?
これを作った奴の気が知れない。
デク「どうだ!気持ちが悪いだろ!まるで今にも何かを吐き出しそうな・・・」オエップ
雷霆「こ、これお前が作ったのか?」
デク「おう!悪趣味に作った甲斐があっただろ?」
ねぇよ。
デク「これをな、動物園の中央に置く!それで野獣どもの気を萎えませる作戦だ!どう?」
雷霆「いやどうって・・・」
デク「あー、性格に言うと、動物どもの聴細胞を破壊する。それで、耳が無防備になった隙に・・・ってわけ」
雷霆「うわぁ・・・」
はっきり言ってドン引き。まさかここまでえげつないとは。いくら少年が銃を持ったところで・・・とは思うが、確かに後ろから不意を突けばいけるかもしれない。
デク「さぁさぁ。今なら3割引で0ドルよ!お兄さん、ほら買った買った!」
ポン、と渡されたのはホルスター・・・?
使い方?んなもん知るか
雷霆「これで、やるのか・・・?」
デク「気持ちいい発砲を見せてくれよな」
・・・
デク「なっ!」
・・・
デク「なっ!」
デク「なっ!(威圧)」
あー・・・分かったよ。