「わぁ!!!すげぇ~!!!」
少女が見せてくれた品物を前に、あまりにも正直で分かりやすい感想が飛び出る。思わず触れようとして商品だということを思い出し、指さすに思いとどまった。しかし口の方は歯止めがきかないようで。
「これ、種だろ?こっちはなんだろ…魔術的な巻物かな?この花、見たことない!!おお、これは魔力ガンガン上がりそうな札!あ、これうちのねーちゃんが好きそうなデザイン!あははっ!おお、そしてこれは!!!……ハサミか」
目の前の商品に気をとられ、旅商人の説明は聞いているやらいないやら。しかしオマケするとの言葉はしっかり聞きつけたらしく顔をあげる。子供はオマケに弱い。
「ほんとう?じゃあ何にしようかな~。でも、姉ちゃん。おれ……金持ちじゃないよ?冒険者に必要なものはカネとコネっていうけどさ~、駆け出しだからどっちもまだまだなんだよね。今出せるのはこんだけかな?これだと~……何が買える?」
そう言って財布から出したのは、子供のおやつ程度の金額だ。
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