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たまのす掲示板 / 539

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玲子 2021/03/07 (日) 12:38:21

本日も妄想日和です。「アグリコ×お沢」
はじめてのお沢様視点。

「う…」
部屋の天井が見える。どこだここは。私は…。
「お沢!」
誰かが私の名を呼ぶ。ああ、そうだ。確か…私は与次郎に喉を噛まれて。体が重い。腕をもちあげるのも億劫だ。ゆっくりと自分の手を動かして首に触れる。巻かれた布の感触。
私は、生きているのか…。よくやった、小僧…。
「よかったぁ!」
覗き込む声の主。大きな目が私を覗き込む。
「……アグリコ……?」
「おはよう、ねぼすけさん。起きがけに霊酒はいかが?今お弟子ちゃんを呼ぶわね、安心させたげないと」
「…待っテ…」
離れようとするアグリコに声をかけて、服を掴んだ。体が自分のものではないような違和感。力がうまく入らない。
なんだ今の声は?本当に自分の声か?…喉を噛まれたからか。声を出してなかったからか…
そしてこの手…、私の手?
「なんで?」
不思議そうに首をかしげるアグリコ。
「私が…いいと言うまで入レないでくれ…」
「…そう言うならそうするけど…目が覚めたことだけは伝えてくるわね」
部屋を出て行くアグリコの背を見ながら、変わり果てた自分の手をじっと見る。なぜだろう。疲れているんだろうか。そのまま、また意識を手放した。

うまく力が練れず、元のような姿になれない。自分の体なのに別のもののようだ。
「もう諦めなさいな」
アグリコが言う。そうだな。命が助かったのだから。
私の外見にショックを受けて泣き出した小僧を慰めて、戻ってきたアグリコに私は尋ねる。
「お前は、気にならなイのか?」
「何が? お沢はお沢でしょ。自分で霊酒や神薬を飲めるようになってくれてよかったわ。ごはんの食べっぷりもいいし、明日は何が食べたい?厠は大丈夫?肩を貸すから言って。あ、そうそう」
畳んだ服が枕元に置かれた。
「血で汚れた服は切ってしまったの。それを元に松子と迦須子に頼んで新しい布で仕立て直したわ。帷子は洗って補修しただけよ」
「世話を…かけたな」
そう言うと、アグリコは目を丸くして、笑った。
「やだもう、さっきから可愛いことばっか言って、私を惚れさせてどうすんの」
「なっ、違…」
「怪我人は大人しく寝てなさい」
なんでそんなに嬉しそうなんだ。ああもう。

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  • 540
    秋田LV3 2021/03/07 (日) 19:26:04 >> 539

    お沢様関連がどんどん厚くなっていく

    541
    隠れ秋田県民(出張) 2021/03/08 (月) 22:31:35 >> 540

    お沢が自身の異変に気付いてから、泉光院を呼ぶ決心ができるまで、
    側にいたのはアグリコだけなんですよね。
    これだけでも相当ディープな時間だったはず!

    542

    そうなんですよ!
    原作では2人はそれまで挨拶程度の関係だったと言ってるから、もう急接近!
    お沢様の手当や看病で遺憾なく発揮されたであろうアグリコ様の親分気質、部下への迅速な指示出し、薬の手配とか、おおらかさとか、考えるのが楽しくてやめられない(笑