カレメグダン公園の踊りの件は、読んだ本が70年代後半なのでその通り。現在は、どうなっているのか。ちなみにペテン師はジプシーだったか?東欧では、ジプシーが多いとの記述があった。74年のイギリスの民俗学教会の発表によると
ポーランド80万、ユーゴスラヴィア30万、チェコスロヴァキア22万6500、ルーマニア20万、ハンガリー20万、ブルガリア20万で、東欧全体だと192万人とのこと。チェコスロヴァキアの東部、ルーマニアのトランシルヴァニア地方、マケドニア共和国、ハンガリーのバラニヤ地方に多いとのこと。土地勘がないので、これがどういう意味を示しているのかは、分からないが、ポーランドは、公式には、77年に1万2千と発表しているので、社会を乱す要因と政府は捉えているのであろうか。
初めてのイタリア旅行で、レオナルドダヴィンチ空港からのバスをテルミナ駅で降りた直後、複数のジプシーの子供が手を伸ばして洋服に近づいてきたので、手に持っていた段ボールの筒で思いっきり叩いたら、ものすごい音がして駅のホールに響き、一瞬、周りがシーンとなったことがあった。フォロ・ロマーノの横を歩いていた時も、女の二人組のジプシーが近くにきて財布を狙ってきたので、思いっきり殴ってやろうとしたら、向こうも引っ掻き返そうとポーズを取り、にらみ合いになったことがあった。
その後、イタリアではサッカーワールドカップがあり、ジプシーは一掃されたと聞いたがどうなのであろうか。
前回、イタリアに行った時には、ローマはテルミニ駅で乗り換えただけだったので、街中には出ていないが、ナポリやシチリア島、そして、フィレンツェ、ミラノ等では遭遇しなかった。
東欧でも憲章77とか、人権抑圧に対する反対の声や、ジプシーに文化的な生活を送らそうという考えもあるようだが、かなり根気のいる、そしてリスクの高い仕事である。ルーマニアが1866年まではジプシーを奴隷として扱っていたとか、ナチスが数十万人のジプシーをガス室送りにしたというのも、ヨーロッパあるあるだと思わざるを得ない。とにかく彼らと街中で遭遇したら、野良犬に対するような態度で接するようにせざるを得ない。
トランシルヴァ地方の話は、興味深い。今回、本を読んだのと、投稿を読んで、俄然、マケドニアやアルバニア、コソヴォやトランシルバニア地方に行ってみたいと思うようになった。
昔、ニュージーランドで1週間がかりくらいのトラッキングに参加した時、ハンガリー人がいて、ハンガリーは、大戦に負けておかしくなったのではなく、大戦が(確か第一次世界大戦)終わった後に、共産主義者が出て来て、国がおかしくなったと、嘆いていたのを覚えている。また、ハンガリーは素晴らしい国だから、是非来てくれと、みんなに宣伝しており、それは、オーストリアハンガリー帝国の時代に比べ、世界の中の地位が下がり、相手にされなくなっている寂しさの裏返しなのだろうと感じた。ちなみに、日本人は、1回目のトレッキングでは、私の他に新婚夫婦の2人組がいた。2回目は、私一人。
3回目に、2日かけてマウントクックの雪原を歩きまわるツアーも行ったが、日本人は私一人だった。
中国も民族構成がそれなりに複雑だが、バルカン半島から中東にかけては、地続きで東西の通り道なので、その比ではないと分かった。ただ、バルカン半島は、宗教よりも民族対立、中東は、宗教対立とのイメージが強く、後者の方が、妥協点を見つけるのが難しいと思う。
これはどこの話だか忘れたが、ミサの前に食べるパン屑をワインに浸けてから口にするか、口にしてからワインに浸けるかの儀式の違いで、宗派同士で戦争が何十年も続いたりしたこともあるらしい。
一方、バルカン半島では、ハンガリー動乱、プラハの春、コソヴォ紛争のようなこともあるが、曲がりなりにも共産主義とソ連の圧力と経済援助のもと、民族間の対立も一定の妥協がなされたと言えるのではないか。第二次世界大戦の終結からソ連崩壊までの40年以上は、中東戦争のような大規模な戦火を交えることがなかったのだから。