絵描きは全員敵
2024/08/12 (月) 03:16:25
a5ae0@7eb55
Fate/zeroを見た、目的達成を目前にそれを切り捨てる言峰の行動を理解できず恐ろしいと言った切嗣が、最終的に聖杯に対して同じ行動を取っていたり、その行動を見た言峰が理解できないと吐き捨てたりするシーン(切嗣に対して自己投影していたにも関わらず)に人間が無意識で抱える矛盾を映像で体現していて見ごたえがあった。その導線として切嗣の、感情と切り離した功利主義なところが刺さっていて話をスッと理解できた。
切嗣の聖杯への願いが結果的に言峰が潜在的に持つ猟奇的な思想を確固たるものにさせ、切嗣の願いとはまた逆の方向に向かっていくのもかなりカタルシスを感じた。
結局切嗣が救った人間で思い浮かべてたの士郎しかいなかったな、それまで公益的な判断を下した上で銃の引き金を引く事が自分にとっての救いで、実際に救った人間の数なんてどうでもよかったんだろうな。子どもの頃から世界救うには人間全員ぶっ殺すしかないって思想片隅に持ってるくらいだし。
最後の最後で聖杯を壊すっていう誤った判断をしたことで功利主義とは真逆の結果を引き起こしてしまった訳だけど、それ以降切嗣が穏やかに過ごしているように見えたのは、一人生きてる子供を見つけて心が救われちゃった事で自分が抱える思想の矛盾だったり無意味さに気づいてしまったからなのか。
己としては利他的に動いているつもりが端から見れば自分が可愛くて仕方がない奴っていう、人間的な心理描写をうまく描いたアニメだった。
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