ある天体に対し「弱い」というのは、その天体が適切に働いていないということです。
基礎講座の中で、天体の象徴を学ぶ際、まず天体のバランス――過剰・適正・不足を考えていきます。
天体は動きがあり、エネルギーを持っているため、常に適正に働いてくれるわけではありません。
過剰な状態と不足な状態を行ったり来たりしながら、状況に合った使い方を学んでいく。
その調整を間違えると、対処方法としての防衛機構につながることもあります。例えば、質問にある土星の適正というのは、与えられた環境の中でしっかり役割、義務、責任を果たす力であり、自己の限界を超えることなく、恒常的に現実生活を維持することができる力です。
過剰に振れれば、自己の欲求や目的から離れ、環境の要求に従い過ぎてしまい、それにより多大な欲求不満やストレスを抱え、自他に厳しすぎる態度を取り、そしてやがて無気力、無責任といった不足の方向に傾いていくことになるでしょう。また、どんなに土星が難しく示されたチャート(ハードアスペクト満載のような)でも、土星的問題(義務や責任を果たせていない、物理的に現実生活を維持するのが困難になっている)が起こっていなかったら、「今は土星の問題はない」と判断するべきですし、どんなに土星が安定したチャート(ソフトアスペクトしかない)であっても、実生活で土星的問題が起こっているのなら、「今は土星が弱い」と読みます。
このような状況は誰にでも起こりえます。
誰でも土星の過剰ー不足を繰り返しながら成長し、やがて自分の適正を見つけていく。
つまり、チャート上で土星がどのような状態にあっても、成長過程では誰でも土星の試練に挑んでは挫折する、といった力学を体験するのです。
その力学は、チャート上に示されることはありません。こうしたことを理解するにはチャートから判断するのではなく、チャートから離れ、クライアントからの情報を通して探っていくことをお勧めします。そうでないと、ただの押し付けのリーディングしかできなくなるからです。
引用:2014/02/03(月) 23:50:12
nicosmic life --- 心理占星術と未完成な日々