ヴィーン····ヴィーン··· 早希のスマホが鳴った。どうやら電話が来てるらしい。
早希「もしもし?」
卓也「俺や。卓也や。」
早希「あ,うん。で、どうしたの卓也?」
卓也「早急政府から自衛隊を送ると連絡がきたんやけど,どうやら軍曹さんが那智さんと話したいんやって。あと自衛隊はこっちに上陸するまで30分くらいやって。」
早希「え?!····う,うんとりあえず後で那智には言っておくわ···。」
卓也「軍曹さんは実際に会って那智さんと話したいらしいやから場所も言っとくわな。波止場近くの自衛隊テント前,でその軍曹さんは待ってはるらしいから。」
早希「OK。ありがとう卓也。」
卓也「またなにかあったら連絡するわ。」
会話が終了した。
早希「今,島に自衛隊が向かっているらしいけど軍曹さんが那智と直接会って話したいんだって。」
那智「俺と直接会って話す?何の為にだよ。」
早希「それは私にも分からないわ。とりあえず波止場近くに自衛隊のテントをはるみたいだからそのテントの前で軍曹さんは待っているらしい。」
那智「了解。時間は?」
早希「あ·····聞くの忘れた····。」
那智「おいおいw···」
しばらく走らせていると大きなフェンスが見えた。那智はブレーキをかけた。
那智「これは····どう行けばいいのだろうか···。」
早希は右側の少しだけ遠いフェンスを見た。一つ破壊されている。
早希「ねぇあそこ。ほら見えるでしょ?」
那智「んー?····あれは破壊されているのかな?」
エクスプローラーはフェンスをたどりながらデコボコした雑草だらけのオフロードに入っていった。やっぱりフェンスは破壊されていた。
那智「これも子供達がやったのかな。」
早希「さぁ?」
那智「まぁこれだと簡単には通れるな。」
ハンドルを曲げて左折しながらフェンスを通り越した。通り越すときにフェンスが当たってしまって左側に少し傷が入ってしまった。
フェンスを通り抜けると少し坂になっている獣道が現れた。地面にはタイヤの跡が残っていた。
那智「やっぱり子供達だな。」
そう一言呟くとまたアクセルペダルを踏んで獣道を下って行った。