毎週の課題本と感想の投稿用掲示板です。
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課題本の予定
2/3
『デッドライン』千葉雅也 (2019年新刊)
『ジャパンタウン』バリー・ランセット (2019年新刊)
2/10
未定
2/10
『デッドライン』千葉雅也
『恐怖小説キリカ』澤村伊智
2/17
『ジャパンタウン』バリー・ランセット
2/24
『ベーシックインカム』井上真為
『檸檬の棘』黒木渚
2/24
『ベーシックインカム』 井上真偽
平均点79点(最高最高点88点、最低点75点)
・井上真偽が1話完結の短編(登場人物が入れ替わっていくような)を書くのはおそらく初めて(新しい一面的な)
・キャラを盛ってないと井上真偽みが薄れてここまで癖がなくなるのかというおどろき
・SFとしてもミステリとしても良質
・叙述トリックは連発されると食傷気味になってしまうところがある
・こういうテイストも書けていて嬉しい(あれだけ書いてるとおかしくなりそうなので)
・表題作はSFではないのでベーシックインカムの導入された未来が舞台のSFも読みたかった
・最後の一編(書き下ろし)でそれまでの短編を結ぶ一つのまとまったテーマの筋を通すのは連作短編としてもあまり見ない形な(気がする)ものの見事に成功していてすごい
3/2
『たったひとつの冴えたやり方』ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア
『予言の島』澤村伊智
3/2
『たったひとつの冴えたやり方』ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア
明るい雰囲気で読後感も良く、楽しく読める。
宇宙旅行の方法がビデオテープと冷凍睡眠。今となっては古いけれどロマンがある。
もしかしたら百合かもしれない。
作者自身も興味深い人生を送ってきた人なので、調べてみると面白いだろう。
平均点:聞くの忘れてました。
『予言の島』澤村伊智
「初読はミステリ、二度目はホラー」というキャッチコピー通りの作品。
伏線の説明が自然かつ丁寧でよかった。
ホラー要素には澤村伊智らしさがあり、従来のファンも楽しめる。
平均点:89点
来週(3/9)の課題本:
『殺人鬼』浜尾四郎
『見えない精霊』林泰広
場所はクラーク会館ロビーです。
プレ新歓の分を忘れていました。
今後の予定です。
3/9
『殺人鬼』浜尾四郎
『見えない精霊』林泰広
3/16
未定
3/23
未定
3/30
『フリッカー式 鏡公彦にうってつけの殺人』佐藤友哉
『僧正殺人事件』S・S・ヴァン・ダイン
4/6–4/27
春新歓(課題本の一覧は【イベント関連】にあります)
コロナウイルス対策によるクラーク会館の閉鎖(課外活動の中止要請)により、
3/9、3/16の例会は中止となりました。
3月中の予定は以下になりますが、大学側の要請により中止になる可能性もあります。
3/23
『殺人鬼』浜尾四郎『見えない精霊』林泰広
3/30
『フリッカー式 鏡公彦にうってつけの殺人』佐藤友哉
『僧正殺人事件』S・S・ヴァン・ダイン
4/18のオンライン例会(『巴里マカロンの謎』、『異セカイ系』)のメモを紛失したので見つかったらこちらも投稿します...
4/27
『HELLO WORLD』野﨑まど
平均点81点(最高点100点、最低点60点)
・SFが強めでないので軽く読める
・SF要素が全面には出ていないもののしっかりと理屈立っていて登場人物の行動にも関係してきたりするので面白い
・京都×和風サイバーの組み合わせが面白い(knowと似てる)
・一つ割りを食ってる世界があるのが(まあ落としどころではあると思うが)気になる
・勘解由小路さんはifで回収されるけどその采配が不思議
・先生に共感する(応援しちゃう)
・最強マニュアルに完全に乗っかってそれは恋にならないのでは→自分でも好きになっていることに気付いて自分の物語を紡いでいく の流れがいい
・エンタメ要素が強い王道もの
・やりたいことはわかったが...という感じ
・戦闘シーンが長い(映画)
5/4
『ノッキンオン・トックドドア』青崎有吾
平均点71点(最高点80点、最低点60点)
・商業男男の関係性としては弱い
・各キャラ間の関係が明かされないのがもやもやする(続刊前提なのはどうなのか)
・50円玉オマージュのがよかった(青崎さんは別の短編でもやっている)
・2人の掛け合いが面白くていい
・軽い感じでサクッと読めていい
・キャラ(HowとWhy)で売ってるのに推理で分けられてるのがほとんど最初だけでは
・キャラクターのコテコテ感が気になった
・「チープ・トリック」が確かにありそうでなかったという感じでいい
5/11
『天冥の標Ⅰ メニー・メニー・シープ』小川一水
平均点92.5点(最高点95点、最低点90点)
・ガチガチの硬派なSFという感じなので元々ラノベ出身というのが驚き
・イサリや石工、ラバーズだったりと種族間の対立だったりはファンタジー的
・ファンタジーっぽいなと思っていたらドーンとSFになる感じがいい
・アクリラがかわいい
・キャラの魅力でSFが要素とポップさのバランスを上手く取れているのはラノベ出身ならでは
・最初原因不明の疫病から始まったのがどんどん予想外の方向に話が広がっていくのがいい
・COVID-19が流行っているので丁度読むべき
・1巻の引きがいいので無料なのは1巻まででよかったのでは(2巻は全く別の舞台の話なので)
・最初から十巻前提で書いているので安心感・各巻の伏線が回収されていくのが楽しみ
5/18
『重力ピエロ』伊坂幸太郎
平均点86点(最高点92点、最低点80点)
・引用がおしゃれ
・怒涛の伏線回収とは行かないものの構成が上手い
・テーマが重い割にすっと読めるのは流石
・よく考えれば犯人は彼しかいないが裏切られた気分になった
・伊坂にしては〇〇がないので拍子抜けした
・テーマに対して真摯に向き合っていてよかった
4/18
『巴里マカロンの謎』米澤穂信
平均点87点(最高点95点、最低点70点)
・いつもよりファンサが多め
・ハッピーエンドが多めだったり
・「紐育チーズケーキの謎」の雑誌掲載時との結末の違い(よりマイルドになっているなど)
・キャラが(言葉を選ばなければ)気に食わない
・偶然に頼った謎が多い(謎の構造が大体一緒では)
・等身大の高校生そのままという感じなのでわからなくもない
・高校生やそれ以下の歳から読んでいるとそこまで気にならない(高得点の人)
・新刊は11年ぶりなのでキャラが動いているだけで嬉しい
『異セカイ系』
平均点81点(最高点90点、最低点77点)
・異世界もの(なろう系)が好きな人は楽しめる
・想像とは違うところに行った感じ
・SF的な理屈も楽しめた
・インターネットなどを生かしていて新鮮な感じ
・関西弁がおそらく意図的だろうが読みづらい
・ネット小説メタとセカイ系の2つを掛けたのはわかるが後者が微妙
・テーマがいまいち伝わってこなかった
・作者とキャラでコテコテのセカイ系をやるのがすごい
5/25
『孤狼の血』柚月裕子
平均点92点(最高点100点、最低点85点)
・登場人物や組織が多くて複雑、読みづらい
・その分後半理解してくると面白い
・警察やヤクザの描写のリアリティがすごい
・ヤクザもの、警察小説の傑作
・大上ではなく日岡(新米キャラ)が主人公になるのが新鮮でいい
・日誌が可読性を上げつつ物語にも関わってくるのでいい(使い方が効果的)
・「日本で一番悪い奴ら」と雰囲気などかなり似ている(映画の監督が一緒らしい)
・渋い任侠もののよさを上手く書いている
7/6
『ハサミ男』殊能将之
平均点88点(最高点95点、最低点85点)
・ネタを知っていたのだが面白かった
・レッドヘリング、読者へのバイアスの掛け方が上手い
・トリックの主眼(使い方)が少し不思議
・↑それがあることで一本道になりかねない展開にフックを持たせているのでは
・推理パートを警察側に投げて被害者の内面や自身とか被害者との対話を掘り下げているのがいい
・話自体も面白いし作りも面白い
・タイトルから想像していたより精緻で繊細な内容で面白かった
・人気な作品は人気なだけの理由がある
・終わらせ方がこういう終わらせ方もありなのかと感心した
7/27
『遊川夕妃の実験手記 彼女が孔雀の箱に落ちたわけ』綿世 景
平均点87点(最高点89点、最低点82点)
・キャラ同士の掛け合いが面白い
・最初のつかみがよくてサクサク読めた
・遊川さんの破天荒で予測できない感じが続きを気にならせる、決めるところはしっかり決めてくれるのもかっこよくていい
・中心になるトリックが若干しょぼい感はある(が見せ方や裏のしかけが上手いので...)
・人間関係なども濃く掘り下げていて予想がいい方向に外れた
・色々な要素を詰め込んではいるものの上手くまとまっている
・キャラに癖があるが全部ちゃんと掘り下げるので愛着を持てる(キャラを好きになる)
・探偵の過去も助手の過去も一作で掘り下げるのすごい
8/3
『コーヒー哲学序説』寺田寅彦
平均点86点(最高点95点、最低点80点)
・文章が上手い(比喩やエピソードの結びつけや文体のリズムなど)
・コーヒーが好き、というのを理屈っぽさと感覚的な感じをいい塩梅に混ぜた軽妙な語り口で語っていてよい
・現代人はカフェインに慣れているのでここまでコーヒーが興奮剤になる人は珍しそう
・コーヒーだけでここまで話題を膨らませられるのがすごい
・普段あまり飲まないけれどこれを読むとコーヒーが飲みたくなる
8/10
『待つ』太宰治
平均点90点(最高点・最低点90点)
『駈込み訴え』
平均点96点(最高点100点、最低点92点)
8/17
『十八時の音楽浴』海野十三
平均点93点(最高点95点、最低点89点)
・タイトルからは想像つかないディストピア、ポストアポカリプスもの
・短い中にいろんな要素がてんこ盛りで楽しい。SFとしてもエンタメとしても出来が傑出してる
・とても1937年発表とは思えない(80年代って言われても普通に信じる)
・終わり方も儚さがあって綺麗でとてもいい
8/24
『破局』遠野 遥
平均点92点(最高点95点、最低点89点)
・あまり無機質な感じはしなかった
・芥川賞にしてはわかりやすい内容だった
・これはハッピーエンドだろう
8/31
『探偵が早すぎる』井上真偽
平均点92点(最高点100点、最低点79点)
・ライトな井上真偽、読みやすくて読者サービスが多い井上真偽という感じでいい(下巻はかなり井上真偽みが強くてそっちもいい)
・事件が起こる前に解決する、という珍しい形式をしっかりと推理小説として成立させているのですごい
・ただ推理小説として成立させただけでなく「トリック返し」みたいなネーミング、文脈付けも面白くて、エンタメとして読者に楽しませる工夫が凝らされていていい
・設定的には難しそうではあるものの続編みたいなものも見てみたい
・事件が起きる前に解決するので必然的に倒叙になるんだなという
・井上真偽はロジックの影に隠れてトリックメーカーだと思う
・後半の細かいギミックの使い捨て感が残念/むしろ好き(無双感、B級映画感)
・映像映えするだろうからドラマも見てみたい
・ボートのクイズのところが好き(遊び心?)
・これが気にいったら『その可能性~』も読んでほしい
9/7
『ツインスター・サイクロン・ランナウェイ』小川一水
平均点91点(最高点100点、最低点85点)
・掲載分の中編を最初に持ってきて続編を書いて長編にするのかと思っていたが、エピソードを追加するなどして話を大幅にリライトして長編にする形で驚いた
・中編のときから(天冥の標でもそうだったが)精密な世界観と設定でしっかりハードSFさせつつも、キャラクターの魅力や会話や関係性や展開だったりでもしっかりエンタメとしても楽しませるっていうバランス感覚が本当に上手い
・エダ・マギリの追加エピソードも長編としての機能的な回収がなされ、テラ・ダイオードとの対比にもなっていていい
・テラもダイオードもより魅力的になった
・「ランナウェイ」の部分については賛否両論 結局正面から社会と向き合わずに別の場所に行こう、というのは他の社会に担保をもたせ過ぎでは? ↔ 二人で逃げるという行為(社会⇄個人とは次元の違う二人の関係性)それ自体が社会と対比されるものとして存在してさえいれば逃げる先はどこでもよいのでは(セカイ系的な)
・続編が読みたい(テーマ的に難しそうではある)
・同じ物語がお手本的に中編と長編で描かれているので読み比べるのも面白そう
10/5『私の男』桜庭一樹
全編を通して暗い雰囲気があり、過去に遡る構成が巧い。
すんません記憶が飛んだので「読んだよ」という記録だけしておきます
11/24「あひる」今村夏子
M谷さんの「両親のやり直し」という解釈に驚き&納得。