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『ツインスター・サイクロン・ランナウェイ』小川一水
平均点91点(最高点100点、最低点85点)
・掲載分の中編を最初に持ってきて続編を書いて長編にするのかと思っていたが、エピソードを追加するなどして話を大幅にリライトして長編にする形で驚いた
・中編のときから(天冥の標でもそうだったが)精密な世界観と設定でしっかりハードSFさせつつも、キャラクターの魅力や会話や関係性や展開だったりでもしっかりエンタメとしても楽しませるっていうバランス感覚が本当に上手い
・エダ・マギリの追加エピソードも長編としての機能的な回収がなされ、テラ・ダイオードとの対比にもなっていていい
・テラもダイオードもより魅力的になった
・「ランナウェイ」の部分については賛否両論 結局正面から社会と向き合わずに別の場所に行こう、というのは他の社会に担保をもたせ過ぎでは? ↔ 二人で逃げるという行為(社会⇄個人とは次元の違う二人の関係性)それ自体が社会と対比されるものとして存在してさえいれば逃げる先はどこでもよいのでは(セカイ系的な)
・続編が読みたい(テーマ的に難しそうではある)
・同じ物語がお手本的に中編と長編で描かれているので読み比べるのも面白そう
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