怖い話風の何かです。試作↓
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ようやく親元を離れ、ひとり暮らしを始めた。
新しい引越し先のアパートは、外見も内装も綺麗にされている。
さっき俺が道を尋ねたおばさんといい、近所の人は優しい人ばかりだ。
近所トラブルもなさそうだし、こんな綺麗なアパートなら
俺の苦手な虫も少ないだろう。最初は不安だったが、ここなら上手くやっていけそうだ。
と思ったのだが、やはり無理かもしれない。
うるさい。白い壁のほうがとにかくうるさい。
こう……鉄やら機械やらなんやらを、同じ場所に投げ捨てたときの騒音が
連続しているような感じだ。
隣か。隣がうるさいのか。
俺の部屋じゃそんな騒音はなるはずないし、隣の人で間違いないだろう。
疲れもあり腹がたった俺は、隣に文句を言いにいった。
「すみません。少し騒がしいのですが、なにかの作業中ですか?」
すると隣人は、突然怒りだした。
「騒がしいのはそっちだろ!?引っ越してきて早々いちゃもんとは礼儀知らずだな」
??どういうことだ…?
「いや僕が荷物の整理を終えた後に騒がしくなりましたし、あなたじゃないんですか?」
俺がそういうと隣人は
「俺はその騒音で起こされたんだよ!それまで寝てたんだぞ?」
とさっき以上に声を上げて言った。
となると、あの騒音は一体どこからきたのか。
とりあえず、それぞれ部屋に戻って、原因を探した。
「何か見つけたら『見つけたぞー』って大きい声で言えよー!」
隣人が叫ぶ。
壁には防音効果などまるでなかったので、隣人の声がよく聞こえた
実を言うと、俺は絶対に隣人が嘘ついてるのではと思っている
話し方も顔も胡散臭いし、なんなんだよあの人。めんどくせぇな
そう思っていると「見つけたぞー」という声が聞こえた。
ようやく見つかったのか…
「何をですかー?」
俺は聞いた。
「見つけたぞー」
だから何がだよ。ったく…面倒くさいなぁ…
「何を見つけたんですかー?」
そう聞くと、
正面の
白い壁から
痩せこけた男性の顔が
にゅるっ
と出てきてこう言った。
「きょう の ごちそう」
ぐちゃっ
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おしまい。