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どこかのサイトの終わり

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──その終焉は、あまりにも唐突だった。

誰が始まりだっただろうか。
いつも通りの日常、しかし誰かが声をあげた。

「もうここはダメだ、別の場所に移ろう」

誰かがそれに同調した。

「ああそうだ、このサイトはもうダメだ」

誰かがそれに便乗した。

「そうだね、新しく作らなきゃ」

誰か、技術のあるユーザーが現れた。

「自分が新しく作ろう」

いんく
作成: 2018/01/10 (水) 23:18:22
最終更新: 2018/01/10 (水) 23:20:27
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いんく 2018/01/10 (水) 23:26:21

──それは突然だった。

半日で生み出された「新しいサイト」。
それは「前」よりもはるかに使い勝手がよくて。

新たな運営者も、「どこかの誰か」なんかじゃなくて、友人だった。
ユーザーたちは「新しい」運営者を慕ったし、「新しい」サイトに喜んだ。

しかし「前の」サイトを惜しむ声もいくつかあった。
もちろん「前」なんかもう行かない、という声もあった。むしろそちらの方が多かった。

自分は「新しい」方には行かない、という人もいた。
「前」の方も使い続ける、という人もいた。

だけれど。
結局は、「新しい」方にみんな移った。

2
いんく 2018/01/10 (水) 23:30:14 >> 1

「新しい」方にみんな移動した「そこ」は、廃墟のようになった。
最初こそまだ利用する人もいたが、それは1日1日と減っていった。

とある日を境に「前」が栄えるようになった。新しい人が増えた。

しかしそこに「前」の住民はいなくて、「前時代の遺産」のみが遺されていた。
新住民は、それを何を思ったのだろうか。

結局、その人たちもいなくなった。

3
いんく 2018/01/10 (水) 23:33:11 >> 1

現在、あの場を使っているのは10人未満。
その人たちも、気まぐれに訪れては気まぐれにコメントして帰っていくだけだ。

──もうあそこが栄えることは無いのかもしれない──