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生まれ育った家庭に居場所は無かった。だから、二十代の初めに、逃げるような結婚をした。
子ども2人を授かり幸せなはず、だけれど、夫の多額の借金と婚家からの「仲間外れ」。大事なことはいつも知らされなかった。ーこれじゃ、実家とおんなじだ。
離婚後、必死で子どもを育てる。いつも貧乏、たくさんのヒト、実兄夫婦にも馬鹿にされながら。誰にも祝福されない子どもを生んだあなたが悪いのよって。惨めな想いをいっぱいした。悲しみを抱えた日々、家族連れを見るのが本当に切なかった。
あれから10年。2人だった子どもが、6人に増えて。そう、私。今は幸せな結婚をしたの。私の容姿だけで選ばず心を見てくれた人と。しんどかった過去を愛おしいって抱きしめてくれる人。条件付きで愛してやると言わない、存在そのものを愛してくれる人、そして今の家族。
かつてはトルソーのような綺麗な体型で、たくさんのヒトに美人だと言われることに喜びと価値を見出して。でも今は、中年期に入り若さも「上部の美しい」を失った、どすこい母ちゃん。からだも心も大きくなちゃった。でも、夫は今が一番美しいと言ってくれる。嘘じゃないんだ、彼は嘘が大っ嫌いだから。そんなおっきなからだと心に似合う素敵なお洋服を纏う喜び。素敵だねってたった1人に言われる喜び。愛され愛するためのオシャレの楽しみを知る、喜びに満ちたこれから。幸せに見合うお洋服ってあるのですね。