この作品に出てくる単語を全て網羅すれば博識になれる説を実証するためのトピック。
vol.0 メタルギアシリーズ
簡単に
メタルギアは、KDE:コナミデジタルエンタテインメント(旧・コナミ)が販売している『メタルギア』およびシリーズ作品の総称である。
本作は、名目上では『アクションゲーム』または『タクティカルエスピオナージアクション(戦術諜報アクション)』と記されるが、一般的には『ステルスゲーム』の代表作として挙げられることが多い。
1986年に小島秀夫氏がコナミに入社した直後、初めてコナミ社でゲームプランナー(本人は「監督」と自称)として第一作『メタルギア』を制作、翌年1987年に発売。1990年には続編『メタルギア2 ソリッドスネーク』が発売、続く3作目である『メタルギアソリッド』が1998年9月3日にリリース。特にこの3作目は、米「フォーチュン」誌により「20世紀最高のシナリオ」と称され、全世界で600万本を売り上げる人気作となった。その後も数々の続編がリリースされ続け、小島秀夫氏が全く関わらないスピンオフ作品も数多く輩出された。それは彼がKDEを退社し、当シリーズが小島秀夫氏の手を完全に離れた2015年12月以降も続いている。
2022年7月13日にシリーズ生誕35周年を迎えた。
具体的なゲーム内容について
作中における「メタルギア」とは核兵器を搭載した二足歩行型の戦車のことである。二足歩行とはつまり、キャタピラや車輪ではなく、生き物の足を模した機構によって移動するということである。これにより様々な状況、地形から核ミサイルを発射が可能となるため、単独での作戦行動を行うことができる。
この「メタルギア」という名前は、この兵器の発案者が「兵器は時代を動かす歯車である」「歩兵と兵器を繋ぐ歯車」と捉えていたことから「金属の歯車」の意味を持つメタルギアと名付けたことに由来する。
この兵器は全世界の核バランスに大きな影響を与える重要な存在であり、それを利用する組織の陰謀に立ち向かっていくのがメタルギアシリーズのおおまかな内容である。
小島秀夫氏は特に『メタルギアソリッド』以降のシリーズでは「遺伝子操作」「反戦反核」を伝えることが大きなテーマとされており、それらのメッセージ性を可能な限り取り入れた作品となっている。
また、本シリーズはストーリーの完成度が高いことも人気の理由である。散りばめられた幾つもの伏線によって、時にはそれがプレイヤーに対するミスリードになることもあり、多少難解なストーリーになってはいるが、それ故に世界観の設定が緻密にできているのが最大の魅力である。
そもそもステルスゲームとは?
コンピューターゲームのジャンルの一種である。作品によってはステルスアクションゲームと呼ばれるものも多い。
stealth(ステルス)という単語は「密か」「ひっそり」といった意味だが、ステルスゲームはこの単語が意味する通り、隠れることを機軸に置いている。つまり、「敵をたくさん倒す」ではなく「敵に見つからない」を主旨としているのである。
例えば、物陰に隠れ、敵の目をかいくぐりながら忍び足で先々に進んだり、誰にも見つからぬまま敵の背後に忍び寄り暗殺(ステルスキル)を行うといったものである。
ストーリーとシステムの整合性を取るためなのか、プレイヤーが敵の本拠地に潜入し、秘密工作、暗殺等の目的を達成するという形式をとったものが多く、それに伴い主人公も、忍者や特殊部隊の隊員、諜報員、工作員などの極秘作戦に携わる人間であることがほとんどである。
少なくともメタルギアシリーズにおいてはその通りである。
とにかく見つからない為に、息を潜めることが最優秀となる当システムは、それ故に取ることのできる行動にも制限が多く、一見すると地味で退屈なものに見えるかもしれない。しかし、そういった制約の中でどうやってギミックを処理し、ステージを進めていくのか、戦略性が問われるのがステルスゲームの魅力である。
開発の経緯
小島秀夫氏は「戦争ゲーム」の制作を指示されていたのだが、MSX時代当時のハードの技術的な制約(スプライトの表示制限)により、プレイヤーともう一人(敵兵)、さらに飛び交う銃弾などを加えると表示できなかった。そこで「敵との戦闘を極力避ける」という画期的なシステムを考えついたのが、「隠れながら進む」をメインとした本作の誕生の経緯である。当作における「武器や装備は現地調達」という決まり文句も「これは敵と極力戦わないようにするゲームです」と、プレイヤーにステルスゲームの趣旨を理解してもらうための意図があったのだという。この「隠れる」ことをゲームの趣旨とする本作は、のちにステルスゲームと呼ばれるジャンルにおいて日本で初めて作られた作品として名高い。
海外においては、同ジャンルのゲームをメタルギアよりも早くリリースした例がいくつかある。
1981年にアメリカでMuse Software社からApple II用ソフトとして発売された『Castle Wolfenstein』。敵の死角から銃撃で敵を倒してダンジョン(ウルフェンシュタイン城の地下牢)から脱出するゲームで、敵に見つかると高い確率でゲームオーバーになる。
続編である『BeyondCastle Wolfenstein』も1984年と、メタルギアより約3年も早くリリースされている。
イギリスでは1985年にDurell SoftwareからZX Spectrum用ソフト『Saboteur』が発売された。忍者ステルスアクションゲームである。続編の『Saboteur II: Avenging Angel』はメタルギアと同年にリリースされているが、発売日の情報が得られなかったため、どちらが早いリリースとなったかは不明。
こういった例がある中、市販されたものとしては世界初のステルスゲームだとギネス認定されているのは、1981年1月にリリースされたアーケードゲーム『005』である。しかし意外なことに、これはセガからリリースされたものなのである。言うまでもないが、セガは日本のゲーム会社であり、メタルギアが日本初のステルスゲームであるという話と矛盾する。
市販されなかったものも含めると、世界初のステルスゲームは、Commodore PET 2001用として東大マイコンクラブの鈴木浩が制作し、1979年11月に駒場祭で発表された、コンビニ店員の死角から店の商品を全て万引きするゲーム『万引少年』だと考えられている。
『万引少年』のプログラムは1980年にパソコン雑誌の『RAM』誌に投稿され、これを読んだ人が他機種への移植版を製作してパソコン雑誌で発表するなどして日本で広まった(『マイコンBASICマガジン』1982年7月号に掲載されたPC-6001版が比較的広く知られている)。メタルギアがまだ世に出ていない1980年11月にも、駒場祭で続編の『万引少女』が発表されている。
これらの情報が正しいとするならば、メタルギアは「家庭用据え置き機で遊べる市販されたタイトルにおいて」という条件付きで日本初のステルスゲームだと言うことができる。
また、PS2版メタルギアソリッド3スネークイーターのミニゲームに、サルゲッチュ3とコラボしたものがあるが、その作中において
ソリッド「ステルスミッションなんてもう珍しくもない。」
キャンベル「そう言うな。私と君で開拓したジャンルではないか。」
というメタなシーンがあるのだが、メタルギアが日本初のステルスゲームかどうかは別として、当ジャンルのゲームをメジャーなものとしたゲームシリーズ。と言うこともできる。
シリーズ作品
本シリーズにおいて、基本的に小島秀夫氏が監督として開発に携わったものを「正史(メタルギアサーガ)」、それ以外を「パラレル」とするのが一般的とされている。本項では正史についてのみ述べることとし、パラレル扱いされている作品の詳細については省略する。
正史に関わる作品はリリースされた順番と時系列が一致しない。以下の表にその違いをまとめた。
発売日順 | 時系列順 | |
---|---|---|
1 | メタルギア | メタルギアソリッド3 スネークイーター |
2 | メタルギア2 ソリッドスネーク | メタルギアソリッド ポータブル・オプス |
3 | メタルギアソリッド | メタルギアソリッド ピースウォーカー |
4 | メタルギアソリッド2 サンズ・オブ・リバティ | メタルギアソリッドⅤ グラウンド・ゼロズ |
5 | メタルギアソリッド3 スネークイーター | メタルギアソリッドⅤ ファントムペイン |
6 | メタルギアソリッド ポータブル・オプス | メタルギア |
7 | メタルギアソリッド モバイル | メタルギア2 ソリッドスネーク |
8 | メタルギアソリッド4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット | メタルギアソリッド |
9 | メタルギアソリッド ピースウォーカー | メタルギアソリッド モバイル |
10 | メタルギアライジング リベンジェンス | メタルギアソリッド2 サンズ・オブ・リバティ |
11 | メタルギアソリッドⅤ グラウンド・ゼロズ | メタルギアソリッド4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット |
12 | メタルギアソリッドⅤ ファントムペイン | メタルギアライジング リベンジェンス |
・メタルギアソリッド ポータブル・オプス
・メタルギアソリッド モバイル
・メタルギアライジング リベンジェンス
の3作品は実は小島秀夫氏は関わってはいない。そのため、これらを正史とするかどうかはユーザーによっても意見が別れている。個人的には、ロマンが台無しになってしまうからという理由で、勝手にこの3作品をメタルギアサーガに位置するものと決めつけている。
また、表中の作品については、完全版やリメイク版、小説版などの派生作品が存在しているものもある。詳しくは以降、それぞれの作品についてのレス内で解説する。
外部リンク
- METAL GEAR PORTAL SITE(日本ポータルサイト)
- メタルギア生誕25周年特別企画 The Truth behind of the MGS
- メタルギア公式Twitter
- メタルギア公式Facebook
- コナミ公式 メタルギア再生リスト
参考文献
- Wikipedia,メタルギアシリーズ,https://ja.m.wikipedia.org/wiki/メタルギアシリーズ ,(参照日:2022/08/12)
- Wikipedia,ステルスゲーム,https://ja.wikipedia.org/wiki/ステルスゲーム ,(参照日:2022/08/12)
ここからは時系列順に沿って、作中に登場した単語を1つずつ拾っていく。
vol.1 メタルギアソリッド3 スネークイーター
2004年12月6日に発売されたPS2専用ソフトで、PS2の歴代ソフト売上ランキングにおいて、国内で24位の81.9万本以上、世界では19位となる400万本以上の売上数を達成している人気タイトルである。主人公の3Dモデルは4800ポリゴンであり、これは同じくPS2専用ソフトとして発売された前作よりも1000ポリゴン増加している。
Polygon(ポリゴン)「多角形」を意味する英単語なのだが、3DCGグラフィックスにおいても同様の意味を持ち、3点以上の頂点を結んでできた多角形データのことを指す。これは曲面を構成する最小単位であり、このようなポリゴンの集まりによって立体的な曲面を表現できる。
ポリゴン数を増やせば増やすほど、曲面を滑らかに見せることができるようになるが、その分データ量も増えるため、無限に増やせるというわけではない。コンピューターゲームにおいては、本体機器の性能に合わせてポリゴン数が設定されている。
物語のテーマは「SCENE(時代)」。前作、前々作のテーマである「GENE(遺伝子)」と「MEME(文化的遺伝子)」に対する価値観や善悪が時代によって変化することを示す。
監督の小島秀夫は発売前のインタビューで、太平洋戦争での原爆投下や東西冷戦、ケネディ大統領暗殺事件後のアメリカの迷走と、米ソ間の核兵器保有競争、それによる諜報活動の活発化が本作の本流だとしている。
あらすじ
第二次世界大戦終結後、世界は東西に二分された。
冷戦と呼ばれる時代の幕開けである。
1962年10月16日。キューバにソビエト連邦(以下ソ連)の核ミサイルが配備されるという情報が米国大統領の元に届けられ、現実と化した核戦争勃発の恐怖が世界を震撼させた。必死の交渉の末、28日、ついにソ連はキューバからのミサイル撤去に同意した。
後にいわれる「キューバ危機」、人類未曾有の脅威は回避されたように思われた。だがそこには、ひとつの密約があった。西側に亡命した設計局局長ソコロフの、ソ連への返送である。
米政府はこれに合意し、ソコロフをソ連へ返還。
だがソコロフは「悪魔の兵器」の開発者だった。ソ連はソコロフを手に入れたことで兵器開発を再開。それが完成すれば、人類は本当の恐怖を目にすることになる──。
1964年8月。事態の重要性をようやく認識したCIAはソコロフの奪還を計画。ソ連の大要塞、グロズニィグラードの南に位置するソコロフ設計局へ隠密部隊"FOX"を送り込んだ。
SAS出身のゼロ少佐が率いるFOXは、戦闘特殊部隊と潜入諜報部隊の両面を兼ね備えた次世代特殊部隊である。遠隔からの無線バックアップにより、一人の兵士が現地に単独潜入を果たし、唯一人で任務を遂行するという構想に基づいていた。
同年8月24日、グラズニィグラード密林の上空。高度3万フィートを飛行する一機のガンシップから、一人の男が舞い降りる。男のコードネームは"ネイキッド・スネーク"。
隠密部隊FOXと、人類の運命を賭けた任務が遂行されようとしている──。
ゲームシステム
カムフラージュ
フェイスペイントと迷彩服の柄を周囲の環境に合わせることで「カムフラージュ率」と呼ばれる数値が変化する。高い数値を維持すれば近距離でも敵兵に発見されづらくなるが、環境にそぐわない服装や発砲、走ることなどでカムフラージュ率は低下する。
また、前作までは特定の床のみ反応していたのだが、本作から敵兵が足音に敏感に反応するようになった。
移動方法も、走り・歩きに加え、ストーキング(移動速度が遅いものの、足音がせず、カムフラージュ率が低下しない忍び歩き)が追加された。
アクション
前作『メタルギアソリッド2』に比べ使い勝手がよくなっている。ローリング(飛び込み前転)は、段差や障害物を飛び越えたり、階段や坂など移動速度の遅くなる場所を素早く移動できるようになった。
ホールドアップはCQCなどにより敵兵が意識があるまま倒れた状態でも行うことができるようになり、別の敵兵に見つかったり、マップを切り替えない限り、伏せたままになる。この状態では威嚇射撃をすることでアイテムが奪える。
CQC
本作から新たにCQC(Close Quarters Combat、近接格闘)と呼ばれる攻撃手段が導入された。近現代に確立された軍隊格闘術のような技を中心とし、ナイフおよび徒手を使った格闘で相手を拘束し、そこからの投げ技や絞め技、殺害などに連携させることができる。また、敵を盾にして他の敵と銃撃戦を行ったり、ナイフを突きつけて尋問することで情報を得るなど、幅広いゲームプレイを行うことが可能となった。
ゲーム中、CQCは無音で実行可能で、敵を地面に叩きつける技などを行っても、間近にいる敵兵に気取られることはない。
サバイバルビュアー
本作の舞台は、森林・山岳地帯などの自然環境下での行動の割合が高くなっており、傷の応急処置や、野生動物を食料として捕獲する「キャプチャー」、雨などの気候の変化、ヒルや毒虫への対処、ブービートラップなど、自然の中での作戦遂行を表現する描写が盛り込まれている。
負傷の治療や捕獲した動物を食料にするといった作業は、新システム「サバイバルビュアー」で行う。
>> 2
バージョンによる違い
MGS3にはオリジナル版に加え、数々の移植版があり、それぞれ内容が異なる部分がある。
通常パッケージの他に、様々なグッズがセットになったプレミアムパッケージも同時発売している。 なお、このオリジナル版のみゲームシステムが異なり、 後のバージョンでは後項で解説している『メタルギアソリッド3 サブシスタンス』を ベースとしているため注意が必要。
vol.2KONAMI
vol.3KOJIMA PRODUCTION
vol.4第二次世界大戦
冒頭,本作の主人公ネイキッド・スネークと思われる人物のナレーションより
第二次世界大戦終結後,世界は東西に二分された.冷戦と呼ばれる時代の幕開けである.
(After the end of World War Ⅱ.the world was split into two -- East and West.This marked the beginning of the era called the Cold War.)
vol.5冷戦
vol.6小島秀夫監督作品
大塚昭夫
渡辺美佐
井上喜久子
内海賢二
山崎たくみ