仏教のお話

Rの会:法華経序品第一 / 9

14 コメント
views
0 フォロー
9
ダルマ太郎 2024/04/11 (木) 16:09:04 >> 7

此土の六瑞を問う 1

文殊師利 導師何が故ぞ
眉間白毫の 大光普く照したもう
曼陀羅 曼殊沙華を雨らして
栴檀の香風 衆の心を悦可す
是の因縁を以て 地皆厳浄なり
而も此の 世界六種に震動す
時に四部の衆 咸く皆歓喜し
身意快然として 未曾有なることを得
眉間の光明 東方万八千の土を
照したもうに 皆金色の如し
阿鼻獄より 上有頂に至るまで
諸の世界の中の 六道の衆生
生死の所趣 善悪の業縁
受報の好醜 此に於て悉く見る

:
:
文殊菩薩よ
世尊の眉間から光を放たれて 不可思議な世界が現出するのは一体なぜですか? 曼荼羅華(まんだらけ)が天から降り注ぎ 栴檀(せんだん)の香風がそよいで 人々の心は喜びに満たされています そればかりか はるか『東方の世界』も照らし出されて すべてを目(ま)の当たりにすることができます こうした現象が起きているのは 一体どのような意味があるのでしょうか 私たちは 人間の住むあらゆる世界で 六道を輪廻する人が 生まれ変わりして善悪の行為を重ね そして その報いを受ける姿を 目の当たりにすることができました

:
:
マンジュシリー菩薩さま
導師はなぜ
眉間から大いなる光を放ち
世界を照らされているのでしょうか?
天上界から 珍しく美しい花々をふらし
センダンの香りを漂わせて
人々の心を悦ばせています
このことによって 大地も人々も
厳かで穢れがありません
しかも この世界が様々に震動しました
その時 人々は誰もが歓喜し
身も心も悦びを感じ
ありがたい現象を体験しました
眉間の光明は
東方の多くの世界を照らし出し
その世界を 黄金色に浮かび上がらせています
阿鼻地獄から 有頂天にいたるまで
様々な世界の中の迷える人々の
事物・現象が因縁によって起こっているということ
善悪の行為とその縁となるもの
報いによって 好い状態、醜い状態に
環境が変化することを
ここに居ながらにして ことごとく見ました

:
:

通報 ...
  • 12
    ダルマ太郎 2024/04/11 (木) 19:53:06 >> 9

    偈頌(げじゅ)
    :
    偈頌は、ガーター gāthā の訳です。偈ともいいます。意味は、「歌・詩」です。散文(長行)で説かれた内容を詩の形式で繰り返しています。偈を説く前には、「爾時世尊。欲重宣此義。而説偈言」(爾の時に世尊、重ねて此の義を宣べんと欲して、偈を説いて言わく)というように告げます。サンスクリット語の偈は、次の通りです。これは、序品の偈です。
    :
    :
    kiṃ kāraṇaṃ mañjuśirī iyaṃ hi
    raśmiḥ pramuktā naranāyakena|
    prabhāsayantī bhramukāntarātu
    ūrṇāya kośādiyamekaraśmiḥ||1||

    :
    māndāravāṇāṃ ca mahanta varṣaṃ
    puṣpāṇi muñcanti surāḥ suhṛṣṭāḥ|
    mañjūṣakāṃścandanacūrṇamiśrān
    divyān sugandhāṃśca manoramāṃśca||2||

    :
    :
    サンスクリット語の偈では、偈の番号がつけられています。一つの偈は、8音節からなる句を4つ並べた32音節から構成されています。この形式をシュローカといいます。韻を踏むことはなく、シュローカと音節の長短が重視されます。漢訳すると当然ながら偈のリズムは取れません。
    :
    文殊師利 導師何故 眉間白毫
    大光普照 雨曼陀羅 曼殊沙華

    :
    というように、漢訳では4文字や5文字で構成しています。
    :
    :
    YouTubeで、法華経の偈を探してみましたが見つけることができませんでした。ゴータマ・ブッダを讃える詩がありましたので、参考のためリンクを貼っておきます。シュローカの雰囲気はつかめると思います。
    :
    :


    :
    :