仏教についてお話します。
仏教とは、仏陀の教えであり、仏陀に成るための教えです。仏陀とは、智慧を完成させた者のことで、さとった者のことをいいます。というように、一応は定義できますが、この定義に執着してはいけません。道を進めば執着から離れる時がきますので、その時は、いさぎよく定義から離れます。教義・主義・主張も同様です。無執着へと導く仏教では、最終的には教義にさえも執着しません。
しかし、旅立つときは、地図や羅針盤を重視するように、最初は教義や定義は学ぶ必要があります。それらを学ばずに自己流で突き進めば途端に迷子になります。それらを捨てるのは、目的地近くになってからです。教義は、「月をさす指」ですから、いつまでも指にとらわれると月を見ることはできません。賢者は指を通して月を見ますが、愚者は指を見て執着してしまいます。
教義を文字化したものが経典です。なので、学習者は経典を読んで学びます。中には、経典は読まないという主義の人がいますが、経典を読まない者が、果たして仏教徒なのかが疑問です。経典を読まなくなるのは、熟練者です。自分が熟練者だという自覚がないのなら経典に頼るのがいいでしょう。そうしないと、仏教ではない何かを追うことになります。
ここは、初心者の集いの場です。ですから、仏教の教えをお伝えしていく方針です。
よろしくお願いします。