みんポケ!

花束、星は互いに砕け散る

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空想とされた物語は、幾星霜を経て実像となり、その逸話は、誰の記憶にも残らない。

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作成: 2017/09/18 (月) 01:00:21
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広告 2017/10/01 (日) 23:39:50

「邪魔するぞ、彫刻室」

 県立氷室坂病院の302号室。「彫刻室」と呼ばれた患者がベッドに横たわる病室に、ノックもせずに背の高い黒服の男が入室した。室が多い。

「久しいね、水甕。一年前と変わらない、全てが楽しくなさそうな顔だ」

「だろうな。最近は楽しくないことが立て続けだ」

 水甕と呼ばれた男は彫刻室の陽気な声とは対照的に、低い声で呆れたように言葉を紡ぐ。

「事件でも起きたのかい?」

「ああ。若干予測できていた事態ではあるがな
 ─────避役が裏切った」

 溜めた割にはあまり深刻そうでない口振り。

「……へぇ、何があったの」

 同じく、溜めた割には云々。

「金に目が眩んだんだろうよ。カプセル殆ど持ち去って、聞いた話じゃじゃ田舎町で若者相手にそこそこの高値で売り捌いてるらしい」

「こりゃまた悪質な。他言無用だと指切りげんまんしたのにねえ。
 ……で?どうすんの?」

「そりゃあ、今からあいつに針千本呑ましに行くんだ。無論お前も」

「僕入院中なんだけど」

「毎日毎日ベッドで本読んでたって退屈なだけだろ」

「いやいや、こう見えて読書も楽しいよ。知識を蓄えながら楽しむという、何よりも素晴らしくそして有意義な行為だ」

「いいから」

「一人でやればいいじゃん」

「いいから」

「あー、もうしょうがないなぁ。まあ大した怪我でもないけどさ。全く、水甕君は僕がいないと駄目なんだから」

 ベッドから立ち上がるとともに、演技臭い溜め息をしながらそう言った。不意にバランスが崩れ、躓きかけるが体勢を立て直してやれやれと腕を組む。

「うっざ」

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ガントラ@びで 2017/10/02 (月) 00:14:59

なっぎ

3

つっよ