みんポケ！

世界滅亡なんていうのは、綿で首を絞められるようにロースピードでなるものだと思っていたけれど。
実際は、ギロチンが落とされるように一瞬だった。

朝起きて
電気つかない
親いない

俺、鬱モナーはとっさに浮かんだ五七五を脳内で反復させ、己の発想力に絶句しながらその問題へ立ちかかる。

さて、どうしたものか。愉快な俳諧。スマホは圏外。日常崩壊。絶望しかない。どうしよう、マジでどうしよう。スマホがないと落ち着かない。ああああああああああぁぁぁぁぁああああああぁぁああぁぁぁぁぁあああああああああああぁぁぁぁぁあああああああぁぁぁぁぁああああああああああぁぁぁぁああぁあぁあぁあぁあぁ………

……まあ、悩んでいても仕方ない。所詮はたかが板切れ。粘着してても醜いだけ。そう思いながら、俺は気分転換にと散歩しに家を出た。

西尾維新をリスペクトしてそう

鬱モナー「なん、で…………」

外には自分以外、誰もいなかった。
かれこれ十分は歩いた。今は午前九時二十分。まだあんまり人が多くない時間帯ではあるが、誰もいないのはおかしい。しかも、窓を見るにどの家も電気がついていない。俺の家もそうだったが、停電なのだろうか。

誰もいなくて、電気も通らなくて。まるで世界に自分しかいないような感覚。全身を恐怖が覆う。ふいに死にたくなる。何故、何故、何故、俺だけなんだ。なんで──

？？？「あ、やっと見つけた！……ってあれ鬱モナーじゃん！おーい！待てー！」

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