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Lo_数学的お話 / 4

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城ヶ崎姫子 2024/06/24 (月) 07:58:40 >> 1

ベルヌーイのこの定義は、広く受け入れられませんでした。その理由としては、以下のようなものが挙げられます。

  1. 他の一貫した定義と矛盾する

ベルヌーイの定義は、他の分数演算の一貫性と矛盾します。例えば、ある数 a を b で割ってから 0 で割ると、a を b×0 で割ることになります。しかし、b×0=0 なので、これは a を 0 で割るのと変わりません。つまり、ベルヌーイの定義によれば、a÷b÷0=a÷0 となりますが、これは明らかに矛盾しています。

  1. 解析学と整合しない

ベルヌーイの定義は、解析学(微分積分学)と整合しません。解析学においては、極限の概念を用いて関数の値を定義します。そして、x→0 で f(x)→∞ となる場合、f(0) は「無限大」であると定義されます。しかし、ベルヌーイの定義によれば、f(0)=lim
x→0

x
1

 =∞ となります。つまり、ベルヌーイの定義では、極限と関数の値が一致しないことになります。

  1. 物理的に意味を持たない

ベルヌーイの定義は、物理的に意味を持ちません。例えば、力学において、ある物体に力を加えて速度を増加させる場合、力を速度で割れば加速度が求まります。しかし、速度が 0 の場合、ベルヌーイの定義によれば加速度は無限大となります。これは明らかに物理的に矛盾しています。

  1. 他の数学者によって反論された

ベルヌーイの定義は、他の数学者によって反論されました。例えば、レオンハルト・オイラーは、ベルヌーイの定義は数学的に矛盾しており、受け入れるべきではないと主張しました。オイラーは、0 で割ることは数学的に意味を持たないと考え、1÷0 は「未定義」であるとしました。

以上のように、ダニエル・ベルヌーイによる 1÷0 の定義は、数学的に矛盾しており、他の定義と整合しないため、広く受け入れられませんでした。その後、多くの数学者によって議論が重ねられ、現在ではオイラーの主張するように、1÷0 は「未定義」であるとされています。

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