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同時に育児と介護、1割が「ダブルケア離職」半数は家計に不安

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子育てと介護を同時に迫られる「ダブルケア」。その重い負担に直面した男女1000人を対象にしたソニー生命保険(東京)の実態調査では、半数の人が家計に不安を抱えていることが判明した。10人に1人がこの苦境を理由に仕事を辞める「ダブルケア離職」を経験していたことも浮き彫りになった。ソニー生命はダブルケアを深刻な社会課題と捉え、横浜国立大の相馬直子教授と英ブリストル大の山下順子上級講師とともに9年前から不定期で実態調査を進めている。2018年以来の4回目となった今回の調査はまず、大学生以下の子を持つ30~59歳の男女約1万7000人にアンケートを23年10月に実施。ダブルケアに直面もしくは過去に経験したと回答した人のうち1000人を抽出し、生活状況や負担感などを調べた。子育てと介護を同時に迫られることで不安に感じる点を複数回答で尋ねたところ、「家計・経済状況」が最も多く49%だった。18年の前回調査に比べこの割合が10ポイント近く上昇しており、新型コロナウイルス禍を経てダブルケアを担う人たちの生活困窮が進んでいる可能性がある。他は「子どもへの影響」が48%、「自身の健康状況」が40%と続いた。健康に関する不安を男女別で見ると、女性は47%が回答し、33%の男性よりも15ポイント近く高くなっている。ダブルケアの担い手が女性に集中していることが関係しているとされる。離職経験の有無を聞いた設問では、全体の10%がダブルケアが原因で仕事を辞めたことがあると回答。具体的な理由としては、「職場が両立しにくい」や「学童保育などに入れない」が目立った。離職原因について子育てと介護を分けて分析した国の調査などはあるが、ダブルケアに伴う離職の割合が明らかになったのは初めてとみられる。調査はダブルケアで負担に感じる点についても分析。「精神的負担」と回答した人が最多の55%で、いずれも31%で2番目に多かった「家事の負担」や「体力的負担」を大きく上回った。他に注目されたのは、大人に代わって家族の介護や世話を迫られている「ヤングケアラー」とダブルケアとの関連性だ。全体の4割超が「子どものころから家族を世話することが多かった」と答えた。ヤングケアラーとみられる人たちが大人になって子を持つと、介護の長期化を背景にそのままダブルケアに移行している可能性があるという。

(2024.1.25 毎日新聞)

オフィスタ
作成: 2024/01/25 (木) 10:18:44
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