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同一労働同一賃金、官民で対応に差

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同一労働同一賃金が2020年4月から導入されますが、一部の民間企業では正社員の待遇の引き下げが進むといわれています。一方、財源に困らない公務員は、非正規公務員の賃上げが進むという、官民で正反対の状況となりそうです。2018年6月に働き方改革関連法が成立し、その中には同一労働同一賃金が盛り込まれています。しかし企業活動への影響が大きいことから実施までには猶予期間が設けられており、2020年4月から実施される予定です(中小企業については2021年4月から)。同一労働同一賃金が導入されると、同じ仕事をしている社員について、正社員と非正規社員との間で待遇格差をつけることは違法となりますから、企業は待遇格差の縮小策を講じなければなりません。非正規社員の賃金は、一般的に正社員の3分の2以下といわれており、極めて大きな格差があります。これが縮小されることは基本的には評価すべきことですが、問題はそのやり方です。両者の格差を縮めるには、非正規社員の賃金を上げるか、正社員の賃金を引き下げることになりますが、民間企業はこのところ業績が伸び悩んでおり、非正規社員の賃上げを手当する財源がありません。このため各種手当の削減、役職定年の強化などを通じて、正社員の賃金を引き下げるところが多いといわれています。一方、これとは正反対なのが公務員です。官公庁は税金で運営されており、増えた人件費は税金で補填されますから、基本的に財源に困ることはありません。また公務員の給与は、民間とは異なり毎年、引き上げられています。このため官公庁においては、正規の公務員の賃金を引き下げるのではなく、非正規公務員の賃金を引き上げる方向性で是正が進みそうです。地方公務員の非常勤職員にボーナスを支給できるようにする法律が施行されていますから、2020年からはこれが適用される職員も増えそうです。もっとも、ひとくちに公務員といっても、その仕事や年収は様々です。公立保育園には非正規の保育士が多数在籍しており、正規の保育士と同じ仕事をしていますが、待遇には極めて大きな格差があります。また、ハローワークにおいても、実際に窓口で相談に乗っている職員の多くは非正規となっており、正規の公務員はあまり表に出てきません(以前は正規の公務員が自ら窓口業務を行っていました)。すべての非正規公務員の待遇が改善するのかは、実際に施行されてみないと何ともいえないでしょう。

(2019.12.12 ThePage)

オフィスタ
作成: 2019/12/12 (木) 12:32:12
最終更新: 2019/12/12 (木) 12:38:01
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