24裁判心理学

投稿の手引き / 384

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F22095 2024/12/06 (金) 12:39:09 674af@c7ed6

(講義を欠席してしまったため、Youtubeの動画を視聴させて頂きました。)

 まず被疑者である須賀氏の心理検査を行ったのが、有名な心理士の下にいる大学三年生であったことに驚いた。いくら優秀な生徒であっても、被疑者の審判に影響がでる行為を何故学生に行なわせたのか疑問であった。「心理検査はアートだ」と言い切るような心理士であったため、自分と同じ感覚を学生にも身につけてほしいがために、心理検査を行った。または須賀氏の自白や警察、弁護士側の須賀氏は有罪という空気が心理検査へのおざなりさがでたのかと推測した。
 次に解釈が裁判の場ではいかに力を持てないものかをより実感した。他の様々な講義では、「あなたの解釈を述べよ」という指示が多い。しかし裁判の場では解釈論争になってしまうだけで、裁判を動かす証拠としてなり得ない。このことから最初の方の講義で「心理士は裁判自体に参加せずに、結果を提供するのがよい」という先生の話に納得した。
 講義内容を聞いている中で、最初は弁護団の立場や言い方が偉そうに聞こえ、弁護団に対してあまりいい印象をもたなかった。しかし講義全体を通して聞いていると二年という長い時間をかけて見つけた須賀氏の語りの特性なども、弁護団が「ここを調べてくれ」といった箇所であった。正直今までの講義からは連携という二文字が見づらく感じていたが、今回の話から多職種連携がみられた瞬間であったと個人的に感じた。

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    satsugakushinri 2024/12/09 (月) 17:57:24 >> 384

     「心理検査はアートだ」という物言いでなくても、類似の主張があり得ることに注意して(「総合的判断」とか「長年の臨床経験」とか)、それに引っかからないようにしてくださいね。臨床心理学にはそういう危険が多いのではと危惧しています。精神科医が学部生に心理検査をさせたことについては、現在の心理学者であれば同様のことはまずやらないと思います。その程度の教育は整備されています。面接も心理検査も問題ですが、一番の問題は、裁判で真偽が検討されるべき自白を「事実」として鑑定の根拠にしたことではないかと思います。
     裁判所の解釈が最強であって、心理学者が解釈を持ち出す限り有効性は低いですね。だから解釈論争に乗らないような鑑定を志向したのでありました。「心理士は裁判自体に参加せずに、結果を提供するのがよい」というのは、このことを言っているのではなく、法曹三者の領域に心理学者は踏み込まない方がよいという意味です。すなわち、資料をどう判断するかという領域に、です。
     プロが仕事をするということは、本気を出すということです。本気でやっていると、相手への気遣いとか口の聞き方とかより、課題解決にどうしたら至れるかが優先されます。足利弁護団の人々、特に佐藤弁護士はプロだったということでしょう。プロと出会うことで、我々も成長できたのですね。感謝しています。他職種連携はこれでいいのだと思います。「チーム学校」だって、何が大切かを共有しそこに至る最善を尽くすのが優先されるべきで、各人(職)のプライドなど掃いて捨てるべきです。まぁ、これも正論に過ぎず、実際には相手の人間としての許容量を判断して、わかるように主張しないと連携は瓦解するでしょう。人としての度量判断を自他共に正確にでき、相手に合った物言いができることが、他職種連携ではより望ましいかもしれないですね。
    8点差し上げます。