課題 警察の発問方法
・発問工夫の現状
資料によると、NICHDプロトコルにもとづく司法面接の手続きでは、自由報告、オープン質問、WH質問、クローズド質問、暗示質問、誘導質問、開示に関する質問が挙げられている。
誘導質問は冤罪や情報の信頼性が欠けるため良くないものだと思っていたが、現状まだ取り入れてるとわかり驚いた。事情聴取されている人がどう言えばわからないもしくは記憶が曖昧で言っても証拠にならないかもしれないという時に誘導質問することは情報採取の信頼性や妥当性が欠けてしまうため情報採取から誘導質問そもそもを排除するべきだと考えた。
参考文献
日本学術会議 心理学・教育学委員会 法と心理学分科会 (2011) 「科学的根拠にもとづく事情聴取・取調べの高度化」 https://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-21-t133-9.pdf (2024.10.30).
・他のシステム変数の望ましいコントロールについての現状
取り調べの録音・録画をすることによって可視化ができ、取調べの技術が向上するが、被害者のプライバシーが確保されず、情報漏洩などを恐れて被害申告を躊躇ってしまうという現状が挙げられる。
これについて、可視化することをこれからも進めていくのであれば、被疑者の顔を隠し音声を加工するなど情報漏洩の被害が発生する前に工夫する必要があると考えた。
参考文献
法務省 (2011)「操作手法、取調べの高度化を図るための研究会における検討に関する中間報告」 https://www.moj.go.jp/content/000075572.pdf (2024.10.30)
・システム変数の望ましいコントロールが進んでいない原因として何が考えられるか
先述の取り調べの可視化について、被疑者のプライバシーの保護をどこまでするのかという議論が未だに行われているからであると考える。また、日本では取調べの可視化が義務化されているがそれでも可視化を行わないミスが発生しているため被疑者に対する意識の差もあると考えた。
講義の感想
情報採取において様々なエラーが発生する可能性がある上で人間が取り調べや目撃証言を集めて良いのか。人間にはAIにはない感情や人生の体験・経験からの物事の考え方が前提としてあるため、エラーを犯さないようにするといっても限界があると考えられる。動画内の検察官の発言「ガキ」などの高圧的な態度や暴言は検察官の役割が多く、またそれに伴い責任が重なっているストレスから表れる態度だという風に考えた。日本の制度三権分立のように司法制度も分化し、責任をそれぞれに分散させる必要もあると考える。この分化が少しでもされると検察官のストレスから起こりうる暴言や暴力、誘導尋問が減るだろうと考えた。また、知的障害者や子どもに対しての面接の留意は通常行われる会話では情報採取が困難であり、見慣れない場所で面接をすることは恐怖感や緊張感で普段の様子とは異なるため、子どもであれば親や先生、知的障害者であれば介助している人が質問し、その様子を録音(録画でも良いのかもしれない)した音声を検察官などが判断することが妥当だと考えた。
最初の資料ですが、これは心理学者からの提言であって、これに対して警察がどう応じているかはこの資料から知ることはできるでしょうか。取調べの現状は、この資料から十分わからないのではないかと思われます。
資料では認知面接、司法面接、被疑者面接が区別されていますが、それらを区別した上で論じられているのかが心配です。
情報漏洩の恐れがないことを、供述者にどう理解してもらうかを考えないと、いくら「工夫しています」と言ったところで不安は軽減しないのではないかと思います。工夫をしつつ、それを説明して、納得してもらうというプロセスが必要かと。プライバシー保護の問題ではなく、それも含むかもしれませんが、供述者の保護という観点が大切なのだと思います。
一人の人間が複数の役割を兼任していることに問題の原因を見出そうするのは示唆的だと思います。それぞれが独立に判断を下し得る役割分担はいい方法かもしれないですね。公務員をもっと増やせばいいんですよ。日本の公務員数は世界最低水準なのだから。金は刷ればいいし。
9点差し上げます。