†新生メガゴルダック王国†

【SS】けろたんの憂鬱(Ver.2)

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約一年前に執筆した作品の昔の話。

Hoaka
作成: 2016/10/09 (日) 23:58:50
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11
Hoaka 2016/10/10 (月) 00:12:53

「今までごめんね。」

12
Hoaka 2016/10/10 (月) 00:13:27

「もう笑ったりしないからごめん。」

13
Hoaka 2016/10/10 (月) 00:17:44

「私がどんなに許しを乞いても許しを得られる人間ではないことは重々理解しております、しかしもう笑うことは致しませんのでせめて生きることくらいはどうかお許し願います。」

14
Hoaka 2016/10/10 (月) 00:18:39

僕はますます理解ができなかった。
何も悪くない人間が謝っているんだ。

15
Hoaka 2016/10/10 (月) 00:19:44

そして何故、笑うことにも罪を感じているのだろうか。

16
Hoaka 2016/10/10 (月) 00:20:33

「先生!僕は変な名前で呼ばれたことはないですし、みんなは悪い事していません!」

17
Hoaka 2016/10/10 (月) 00:21:22

僕は皆の言っていることが理解できなかったから苦し紛れに言葉を吐いた。

18
Hoaka 2016/10/10 (月) 00:24:24

「おい、けろ。無理しなくてもいいんだぞ。みんなにげろたんと呼ばれて相当辛かったろう。涙まで流して…… ほら、俺のハンカチ貸してやるから早く涙拭けよ。」

19
Hoaka 2016/10/10 (月) 00:27:51

僕は今まで嫌なことを言われたことがなかった。
だけど、今、初めて嫌なことを言われた気がした。
今まで出会った人は、どの人も優しかった。

20
Hoaka 2016/10/10 (月) 00:29:33

その先生は僕のあだ名を勝手に変な名前だと思っていたんだ。

21
Hoaka 2016/10/10 (月) 00:29:55

僕をげろたんと呼ぶとき、みんなは笑顔になるんだ。
僕はみんなの笑顔を見るのが好きだった。

22
Hoaka 2016/10/10 (月) 00:30:41

僕はもう言葉が出なかった。

23
Hoaka 2016/10/10 (月) 00:32:04

僕は何も言えずにそこに立っていた。

24
Hoaka 2016/10/10 (月) 00:32:56

「よし、お前は落ち着くまで別の部屋で待ってろ。」

25
Hoaka 2016/10/10 (月) 00:33:58

先生は僕の手を引っ張って、空いていた教室に僕を一人にした。

26
Hoaka 2016/10/10 (月) 00:35:30

それから数秒後、ドアの向こうから怒鳴り声が聞こえた。

27
Hoaka 2016/10/10 (月) 00:36:14

クラスメイトは何も悪い事をしていないのに怒られた。

28
Hoaka 2016/10/10 (月) 00:36:39

僕は生まれて初めて人を嫌いになった。

29
Hoaka 2016/10/10 (月) 00:38:59

次の日、学校に行くとそこには誰一人笑っていない教室があった。

30
Hoaka 2016/10/10 (月) 00:39:51

誰も僕に話しかけない。
僕も誰にも話しかけられなかった。

31
Hoaka 2016/10/10 (月) 00:42:00

(そうか、みんな僕がいたせいで怒られたんだ。僕がいなければみんな怒られずに済んだんだ……)

32
Hoaka 2016/10/10 (月) 00:43:47

僕はその日、結局何一つ言葉を発しなかった。

33
Hoaka 2016/10/10 (月) 00:45:47

それからもう笑わなくなった。

34
Hoaka 2016/10/10 (月) 00:46:04

みんなが謝っていたし、誰も笑っていない中で自分だけが笑うことなんて僕にはできやしなかった。

35
Hoaka 2016/10/10 (月) 00:48:00

それからずっと話すことも笑うこともなく小学校を卒業した。