「さて、どうしようか。玲羽少将、私としては君が飽きるまでここで語り尽くしてもいいんだけど、そろそろキミらの救援が来る頃合いだろうし、残念だけどそろそろお先に失礼するけど…」
ピリリリリリリ!
その時、茗夢の退場を遮るようにけたたましく着信が鳴り響く。
こんな時にも関わらず突然のことだったので、思わず反射的にスマホを手に取って電話に出てしまう。
『もしもし!玲羽!!今すぐそこから後方に走って!!!』
「おっ、大水木かよ…どうしたんだよ急に…」
『いいから!生き延びたいんでしょ!?だったら走って!!』
「わっ、分かったよ…」
大水木の必死の呼び掛けに言われるがままにその場から全速力で後方に走り出す。
「あれれ?急にどうしたの?変な子…」
突然置いてけぼりを喰らった教祖も流石に呆れ果てた様にその場に立ち尽くす。
次の瞬間、教祖が立っていた辺り一辺を、あの日見たピンク色の粒子の煌めきが包み込んだ、空から降り注ぐ絶え間無い粒子の雨が、先程までのおれの足場までを呑み込んで街並みを跡形も無く焼き尽くしていく。
『驚いた?玲羽?私がるるたとゆきだるまに指示して上空から玲羽と教祖が鉢合わせている地点を目標にして、るるたの
「ははっ、なるほどな…それならるるたの
『でしょ、でしょでしょ!!教祖を倒した功績が認められたら今度の昇級は私が玲羽に下剋上かなーー!?なんてね!』
「いや、やかましいわ。これじゃ教祖の身体が消し炭になったのかも分かんねぇよ…ったく、取り敢えず助かったよ、ありがとな大水木」
『どーいたしまして!!』
「とりあえず空でプスプス浮かんでるガキ共は放っといて戻ってきてくれよ、おれはもう貧血でぶっ倒れそうで…それじゃ。」ブツッ
粒子の雨が降り止んで、ぽっかり空いたクレーターがまるで、この空間だけ
まさか、レートAの盗人を捕らえる為だけに教祖をも巻き込んでこんな大きなクレーターが空く大捕物が起こるなんて誰が予期できたか…。
さて、後は大水木と合流して本部に戻るだけだ…。
「へー!るるたちゃんの爆発的な威力の
振り返るとそこには眼前でピンク色の粒子の雨に焼き尽くされた筈の、五体満足の教祖の姿があった。