真昼の迫真ランド

【SS】Requiem:channel / 79

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ちゃむがめ 2021/07/11 (日) 16:00:43 修正




おれと大水木が無線を切ってする事もないから駄弁(だべ)っていた頃のことだ。
南方から眩い閃光と共に(けたた)ましい轟音が聞こえ、おれ達は驚いて轟音の鳴った方向へ振り返る。
チームαの潜伏していたビルにはくっきりとしたハート型の大穴が開けられ崩落しかけている。後方にも同様に同じハート型の風穴が開けられた建物がずらっと並んでいる。

「…大水木無線繋げ!あんな状況じゃあのクソ女上官死んだかもしれねーぞ…」

「言われなくても点けますよっ…と、チームαの皆無事だといいけど…」

『ザザッ…ズザァ……断片者(フラグメンター)による攻撃を確認!総員臨戦態勢に入り教会党へ突撃せよ、これよりアザミの制圧を開始する!!』

「い、生きてた…。」

「おいおいこれって…俺ら出動するパターンじゃね…?」

「マジかぁ…私らも急がないと…」

おれ達は大忙しで武装を済ませ教会堂の敷地へと突入する。
その正面扉に居たのはチームαのビルを攻撃した張本人と思われる断片者(フラグメンター)の少女がいた。
少女は先程の断片(フラグメント)による反動だろうか、疲弊した様子で蹌踉(よろ)めいていた。

「うわっ、あの女の子玲羽のタイプじゃね??」

「バーカ、3次元のロリ(アレ)は俺の対象外だわ、取り敢えず…」
『こちらチームc(チャーリー)、玲羽。ただ今教会堂正面扉にて断片(フラグメント)を使用したと思われるアザミの少女を捕捉した、現在標的(ターゲット)断片(フラグメント)の使用により疲弊した様子だ、応答を願う。』

『…こちらチームα、レミートだ。ビルの倒壊により負傷者多数、被害は甚大。救護班は後方の建造物の民間人の救出に向かわせた、済まないが我々はそちらへ向かうのに少々時間が掛かる…例の断片者(フラグメンター)、奴が再度断片(フラグメント)を使用する前に直ちに"断片(フラグメント)抑制剤"を打ち拘束せよ!』

『了解した、これより標的(ターゲット)の制圧に向かう。』

「行くぞ、大水木」
「りょーかい!」

おれ達は駆け足で正面扉の方へ走った、そして少女と相対する。

「動くな、おれ達はミーバネルチャ治安管理局だ。お前は断片(フラグメント)を使用し、管理局員と民間人に甚大な被害を与えた罪人だ、大人しく投降しろ。」

「はぁ…はぁ…私はここで捕まる訳には…行かないよ!」

少女は両手で(ハート)を作りおれ達に照準を向ける。
少女の手には桃色の光の粒子が集っていく…

「まだ…まだまだ!C.C(シー・シー)は打てるもん…!」

「来るぞ、大水木」

「…分かってる!」

「…Crush Canonn( C.C(シー・シー))!!!」ズドン!

放たれた波動をおれ達はそれぞれ逆方向に疾走してすんでのところで回避する。
おれは少女の背目掛けて体全体の体重を乗せて突進し、地面に捩じ伏せる。
大水木は覚束無い手で少女にピストルの銃口を向ける。

「大人しく観念しろ、クソガキ。」

「…くそぅ…私の断片(ちから)茗夢(チャム)ちゃんだって褒めてくれたのに……それなら…!」

捩じ伏せた筈の少女の顔の前に桃色の光の粒子が再度集積していく…

「全員まとめて"道連れ"にしてやる〜っ!!」

「…っ!早まるなクソガキ!」

おれは早急にポケットから断片(フラグメント)抑制剤の入った注射を取り出し少女の二の腕に針を突き刺す。
断片(フラグメント)抑制剤を注入すると少女の体はみるみるうちに脱力していき
桃色の光の粒子は煌めきを失っていき雲散霧消していく。

「間一髪、セーフだったな…ほんまに。」

「……死ぬかと思った…。」

『こちらチームc、玲羽。標的(ターゲット)の少女を無事拘束した。』

『こちらチームα、レミートだ。よくやった、玲羽准将。チームβ並びにチームδ(デルタ)は現在教会堂へ突入した、我々も彼らに続くぞ。』

『…了解。』

「ここからが本番って感じだな。」

「私もう(うち)に帰りたいかも…。」

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