でもに創作雑談チャットエリア

おはよう。今日の気分はどうだ？――――うん。変わらないようで安心したよ。
お前が〔アヴァロン〕から送られてきてもう何年だろうかね？４、５年は経ったかな？
初めの頃は単なる接触反応だけだったが、今はこうして言葉に耳を傾けるまでになった。
この歳月で、お前は新たに〔自我〕を構成しつつあるのだろう。
他の奴らは「無作為な時間」というが、私はそうは思ってはいない。
これは〔再生〕ではない。〔再誕〕だからだ。神秘の権化ではない一人の人間としての生。
お前は、その旅路を辿っている最中なのだと私は思っている。
こんな身の上で子が出来る気分を味わうとは思いもしなかったがね。
そうだ、そういうことならお前にやらなければならない物があるな。
お前は〔秘検体AA〕でもなく〔仇花〕でもない。新たに生まれたヒトなのだからな。

　　　　　　　　　　　　「唯一」というのはどうだろうか？

・・・名前だよ。お前の名前だ。たとえ元の名を失っても、お前はこの世界にただ一つの命だ。
己を失い、今新たに新生しようとするお前に相応しい名前だと思うのだが、どうかな？
――――そうか。喜んでくれるか。うん、そういう事なら苗字も考えておくか。
そろそろ時間だ。また後で来るよ。それまでに自分の名前を呼べるようにしておくといい。
ではな、「唯一(ただかず)」。私の息子よ――――――