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でもに創作雑談チャットエリア / 32

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Fate Dawn light Osentikkutoraianfu 2022/03/19 (土) 19:58:56

―――――夜のビルの中を逃げていく。何から?当然、背後から襲い来る脅威からだ。
事の起こりは数刻前。会社に忘れ物をした自分はそれを取りに戻っていた。
モノによっては明日の出勤の際に回収すればいい話だが、物は妻の作ったお守りだ。
病弱で現在入院中の妻が、自分の無病息災を願って作ってくれた大事な物。流石に置き去りになどしておけない。
そうして会社に引き返し、お守りを回収し帰ろうとした自分はあるものを目撃してしまったのだ。

―――――会社の後輩が、謎の女と共に人を襲っている所を。

気づかれないように立ち去ろうとした自分に女の方が気付き、後輩の言葉に従うように襲い掛かってきた。
そこから逃げ出して、がむしゃらに走り続けて、―――――気づけばそこは屋上だった。
なんという間抜け―――そう一人ごちる間もなく二人が姿を現す。
女は銀色の長髪にボンデージのような服ようなの上からワイン色の服を羽織っていた。
その手の爪は鋭く伸び、王錫のような物を持っている。その貌の上半分は仮面に覆われていた。

「よくもまあここまで逃げられたもんですね、先輩?――――でも、それも終わりだ。」
「この屋上に来ちゃったのはほんとに運がないというかねぇ・・・?」
「ま、見られた以上は仕方がない。大人しく〔アサシン〕の生贄になった貰いましょうかね!」

――――ここまでか?ここでこの二人に自分は頃されるのか?
――――ここまでか?ここでこの二人に自分は頃されるのか?

・・・冗談じゃない。 「冗談じゃない・・・!」

妻の顔を思い出す。か細くて、弱弱しくて、でも、自分のことをいつも想ってくれる愛しい妻。
今まで彼女が居たからどんなに苦しくても頑張って来られた。
彼女が自分を、弱い自分を支えてくれていたのだ。
――――ソレをこんな簡単に無くして堪る物か!
最後まで抗ってやる。恐れてなどやる物か―――――!

「――――その心意気。確かに見届けた。」
そんな声と共に、自分と〔アサシン〕を閃光が遮った。

手の甲に強い痛み熱さが奔る。
それと共に、目の前の光が一つの人影を現していく。
「普通であれば諦めるこの窮地。それでも尚、抗おうとするその高潔さ。」
「何より、そんな中でも伴侶を思うその愛。・・・称賛に値する。」
「ならばこそ!このような尊きものを救うはまさに必定!この者との契約に躊躇い無し!」
〔アサシン〕と同じ銀の髪、しかしその人柄のような真っ直ぐな長髪を靡かせて、彼女は高らかに声を上げる。

「サーヴァント、アーチャー。これよりお前の剣となり、お前を最後まで守り通そう――――!」画像1

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