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士郎と凛の話を書く侍 2024/07/14 (日) 19:01:18

こんばんは。昨日の書きたいと言っていたシーンを虫食いながら形にしてみましたね。
なんか二人の台詞のコレジャナイ感。

「士郎!」
 弾むように自分を呼ぶ声に振り返る。
 そこには、
「着地任せた!」
 階段から俺一直線に飛び降りる遠坂の姿があった。

「な────」
 困惑する思考を置いて、体が勝手に動く。
 体内に魔力を流しながら、腕を広げる。
“強化”された体は、遠坂を容易く受け止めた。

「なに考えてんだ、このバカ」
 咄嗟に受け止められたからいいものの、もし失敗すれば床に墜落して大怪我していたかもしれない。
「あら。じゃあ、わたしが飛び降りる位置が違ったら、受け止めてくれなかったのかしら。わたしの正義の味方さんは」
 その笑顔は、ズルい。
 そんな風に真っ直ぐに信頼を口にされたら、文句なんて言えないじゃないか。

「さてと、士郎の努力の成果がわかったところで、帰りましょう」
「お、おう」
 遠坂を降ろすと、くるりと身を翻して階段を下っていく。
 腕に残った手応えに、いつかの光景を思い出す。
 ビルから飛び降りた遠坂に寄り添う、赤い騎士の姿を。

「どうしたのよ士郎、急に不機嫌な顔になって」
「いや、俺はまだまだだなって。だから、今日も厳しく鍛えてくれると助かる」
「そう? それじゃあ遠慮なく覚悟なさい」
 じき日も沈む。
 今日もいつも通り、早く家に帰って夜に備えよう。

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