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北欧怪文書の人。 2023/07/15 (土) 23:52:04 >> 1298

──女は故郷を守る為、その拳を振り上げる
──鴉は三の脚を畳んで空を駆ける
──男は今尚生きる神と相まみえる

天下を争う時代は一時の幕を下ろす。
されど、その爪痕は今も深く、各所で散った浮かばれぬ魂が魔物と成りて人々を襲っていた。
そうして、攻めの時代から守りの時代となった昨今。各地の領主たちは挙って魔物の討伐を試みたが、
死者の無念ある限り生まれくる魔物たちから領土を守ることは困難を極めた。
故に彼らは、森羅万象と語らう力を持つという流浪者達を引き入れては『守るための戦い』を長く長く、続けていた。

辰岩 迫間(たついわ はざま)も、そんな流浪者の1人であった。
木を、火を、土を、金を、水を。森羅万象を操るその男は、一羽の鴉を連れて今日もまた、関所を越えて見知らぬ国を歩いて行く。
旅の最中、迫間は関所近くで行き倒れになっていた女性、虎白(こはく)を介抱する。
虎白はある村の巫女をしており、最近になって自身を育ててくれた村の神が何者かに狙われていることを知った。神に迫る危機と誤解に対応するべく、依頼人がいる城下町へ行こうとしていたが、体力が尽きてしまったらしい。

旅は道連れ、世は情け。迫間と鴉は虎白と一緒に城下町へ行き、依頼人の仔細を確かめてみることに。
現れた依頼人は、その地の次期城主候補であった。
「何故、そうも穢れ無き神を祓おうとするのか?」
依頼に対する疑問を投げかける迫間と虎白であったが何かに焦っているかのような依頼人の怒りを買ってしまい、更には神祓いの依頼を『未来の城主直々の命令』として降される羽目になってしまう。虎白は怒りを露にしながら城下町を後にし、迫間は城主候補やその関係者へ疑念を抱いたまま、一つの呪いを告げる。

「魔に穢されていない神を祓う……そんな大業には罰が当たるぞ」

往々にして欲に塗れた陰謀は、えてして災いを呼ぶ。迫間の言葉は、程なくして現実となり、予期せぬ出来事に城主は困惑し、当てが外れた城主候補は慌てて依頼を取り消そうとするが、現れたモノ共は災禍と嘲笑を城下に撒き散らす。

謎めく神祓いの依頼、城下に満ちる暗い欲望と災い。自分たちを巻き込んで回る事件の数々を、迫間たちは無事に解決出来るのだろうか。

これはいかがでしょう。

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