今回の企画はマズイよね。長文書きには楽しみでしか無い😂
テーマ【飲む】
アウトドアと4WDの楽しさを教えてくれた仲間とのお話です。
当時、夜になると「ビバークしに行こうぜ」と何処となくフラフラと出かけていたものでした。
ここで言うビバークとは車中泊のことで、それさえできれば場所は問いません。
砂浜で焚き火しながら語り合いビバーク
林道を攻めて行き止まった山中で笑いながらビバーク、そんなことしてました。
ある日、「良いポイント見つけたから行くぜ!」と山梨の山中に向かいました。
彼が言うには観光地化されてないただのダムがあり、そのダム湖畔がなかなかナイスだという事。4WDを連ねて深夜の山道に向かいました。
しかしお約束のように山中で道をロスト。ミスの理由は今でも解らないのですが、ポイントを決めた彼の車が最後尾だったことだけは覚えています。
細い山道を戻るため切り返しの誘導をしていると突然暗闇から一人の老人に声をかけられました。
「おい、あんたら何しとるんじゃ」
日付も変わるような深夜にディーゼルの轟音を響かせながらキャラバンを組む四駆たち、終いにゃどんなバリケードだって踏み抜いてやりそうな威圧的ハイリフトのランクルも数台居るような集団は「僕たちは不審者です」と自己紹介しながら練り歩いてるようなものです。
そんな県警への連絡待ったなしの状況で、今思っても100点つけれるウソ返しを僕は披露したのでした。
「星を見に来ました」
「星ぃ??」
数週間前、ニュースで話題にしてた流星群のことが脳裏によぎった僕が咄嗟に出したウソストーリーの開幕です。
「実は天体観測に来たんですけど道間違えまして。こんな夜分にお騒がせして申し訳ないです。」うん、やはり今思い出しても完璧で隙なし。ペテンと名乗る片鱗はこの頃から有ったんだな俺、うんうん。
だが現世にはイレギュラー要素というものが必ず存在し、それが現実に深みを与えます。今回のソレは「老人がまぁまぁお酒を飲まれていた事」でした。
「おぉ!天体観測とは最近の兄ちゃんは色んな事するなぁ。面白いからちょっと家によってけ!!」
え?家!? こんな山中で見知らぬ人の家にホームステイ?? でもここで拒否すると不審者疑惑がまた復活しそうだし。
そんな事を巡らしている間も老人はさぁこっちだと家への分岐点で手招きしています。異様な事態に気づいたメンバーも僕の所に集まってきました。
「何?どうなってるの?」「いやカクカクシカジカこんな感じで呼ばれてるのよ」「おーいアンチャン早く来いよ」「って呼んでるけどどうすんの?」「もう行くしか無いんじゃね?」数分後、板の間で老人・不審者・老人の家族が車座になって座る羽目になりました。
老人は上機嫌「若いのにこんな時間でも星を研究してるなんて凄いなアンチャンたち!」ニセ天体研究家の僕たちをツマミにメートルを上げていく老人、僕たちは困惑します。でも仲間がいました、老人の家族も大困惑です。
家長が連れてきた深夜の闖入者になんて声をかけて良いのか解らない、でもいち早く帰ってほしい。
なんの因果か場違いな場所でお茶を飲むことになった僕たちはなにを話せば解らない、でもいち早く帰りたい。
この事態を生み出した僕自身はもうウソストーリーを展開し続けチャンスを伺うほかありませんでした「ここの山が観測する方位的に好都合なんですよ」
30分ほど居たでしょうか、もっと短かったかもしれません。でも気持ちの相対性理論では永遠の時間を過ごした時、老人がグラリとしました。
「ほらおじいちゃん、もう寝ないと!」
「そうですね!僕たちももう行かないと星が山陰に入ってしまいます!!」
「あ?うぅあ?」
『ほらあなた達もそうですねここらでお暇してすいませんね夜分遅くに失礼します気をつけてね!!』
老人以外のその他全員が一瞬のチャンスを掴み、畳み込むようにその場を解散させ日常に戻りました。
予定より2時間ほど遅れて着いたダム湖畔で飲んだコーヒーは冷えた体に染みたのを覚えています。
ギミック満載で文章が巧み過ぎますねww 飲み物も「お酒」「お茶」「コーヒー」と3つ出てくるんですよね!!
ぎゅっとしちゃうと「嘘は良くないぞ!!」って話なんですけどね、金箔職人の様に広げる広げるww
白装束の話を聞いてたもんで、老人の登場にドキッとしましたが、良いじいさんで良かったですww
いい話、ありがとうございました👍