バカジニスト大喜利

学生時分に派遣で一度だけ、“一度はやってみたいバイト”である夏場の着ぐるみをやったことがあります。
モデルハウスか何かで着ぐるみを来て、ひたすら手を振り続けるというものだったかと思われます。「家売るオンナの逆襲」のスモウくんをイメージして頂ければよろしいかと思いますが、無論私は鍵村のようなイケメンではございません。
夏場で合計8時間くらいだったので、私ともう一人の人で30分ごとに交代してました。交代の瞬間はシュールですよ。着ぐるみが頭にタオルを巻いた男性に呼ばれて建物内に消えて行き、数分後着ぐるみだけがまた出てくるわけですから。そして30分後、同じことが繰り返されると。
その建物の前でずっと手を振ってる間は全く平和なもので、3周か4周に1回くらい家族連れが来てその人たちに愛想振り撒く程度でした。お客さんも「ああ、こんなのやってんだあ」くらいのさらっとしたもので。
ただ、ラスト30分が私の番だったのですが、急に近所のちょっとしたお祭り事に行くことになり、社員さんの運転する車に乗せられて着ぐるみと共に現場に向かいました。
車中でも社員さんはずっと苦笑いで「大変ですねぇ…」みたいな感じでした。恒例ではなく、上の方の人間が何となく思いつきで着ぐるみやろうみたいなノリになったんでしょうね。現場の人たちは「あ、はあ…」なテンションでした。
お祭り会場ではそこそこ人が歩いていて、社員さん数名と共に着ぐるみの私も歩きました。そもそもその着ぐるみも会社のマスコットキャラでもないし、キャラ設定とか一切なかったので、ずーっと探り探りでした。
まぁ、建物の前にいた時と変わらず、たまに子供が触りに来たり、お母さんが子供に「握手してもらいなさい」と言ってたり、そんな程度でした。しかし、一組だけ小さな女の子二人組がなかなかやんちゃで、足の甲を踏んできたり、股間を叩いてきたりしました。
そこそこゆったりした作りだったので、痛くはありませんでしたが、あの年齢にしてかなり的確に人間の急所を狙ってくるあの観察眼…。今頃は高校生か大学生くらいでしょうか、是非とも格闘技の道に進んでほしい…と妄想しております。

では、最後に…

「バイトするなら、金をくれ！」

…いや、金ないからバイトすんねん！