革手袋の館

AIイラストから生まれる物語 / 3

17 コメント
views
0 フォロー
3

カタカタ・・・

キーボードを打つ一人の女性。しかし妙な違和感を覚えるのは彼女の手だろう。室内であるにもかかわらず、彼女の両手は黒い革手袋に包まれていた。

彼女はある性癖を持っている。所謂『手袋フェチ』というもので、彼女が何よりも愛するのはその柔らかい感触とほろ苦い芳香を放つ革手袋。その女性は誰も見てさえいなければ季節や室内外を問わず黒革の手袋を嵌めていた。また、情事に耽るその時にも・・・

“革手袋の館”

資金などの出所は不明だが、この女性は『革姫』と名乗り、革手袋フェチという性癖を持つ者を募るための施設を建てており、館内には同じ革手袋を愛してやまない女性、痴女ともいえる愛好家たちが何人も在籍しており、彼女たちは『革姫仲間』と呼ばれる。また館内のあちこちには古今東西の、様々な革手袋(牛革やシープレザーといった素材の違いから、オーソドックスな手首までを覆うものから肘上までを覆うロンググローブなどのあらゆるタイプ)が展示されており、ここに在籍する彼女らはこれらのコレクションの中から好きなものを自室へ持ち帰り、その匂いや感触をじっくりと堪能する「試着」が許可されている。お気に入りの革手袋を女性が持ち込んだ部屋の中からは、たいてい甘い嬌声と淫らな水音が響いてくる。そして同じ性癖を持つ者同士で革手袋へのこだわりを語ったり積極的な情報交換をすることもしばしば。

「やっぱり牛革の感触が一番いいわね」

「革手袋で男の子の口を塞いで匂いを嗅がせながら乳首を犯したり、おチンポをシゴいて革手袋の匂いと感触をじっくり教え込む調教、すごくぞくぞくするわよ」

「私の『獲物』ちゃんは革手袋の匂いを嗅がされながら騎乗位されるのが好きなの。イッても革手袋で口を塞ぐだけですぐ回復するから一晩中ずっと犯し続けられるわよ」

「いいわね、今度その子貸してくれる?」

革手袋の館を訪れるのは女性がほとんどで、一度ここのメンバーとして認められた者は出入りも自由だが、男性の場合は条件がやや異なっている。まず男性は入館時、男性専用のエントランスへ行き、暗証番号の認証を行う。それが済むとエントランス内のドアがロックされ、催眠ガスが部屋に充満する。その後、黒革手袋を嵌めた女性たちによってプレイを希望する痴女の部屋へ運び込まれ、ベッドへと拘束される。この館の中における男女の情事にはプレイは必ず女性上位のものでなければならないというルールがあり、それによってここを訪れることができる男性は自ずと受けのM気質な者のみということになる。またプレイが終了した後には男性はクロロホルムを嗅がされて眠らされ、入館時のエントランスで目を覚ましたらそのまま退館、という方式がとられている。

カタカタ・・・

この『革手袋の館』の所在地は極秘とされており、一般の者は入館はおろか館を見つけることすら叶わない。ここを訪れるためには、ある革手袋の愛好家たちが集う掲示板にて許可と入館のパスコードを手に入れる必要があるのだ。掲示板内で自らの革手袋に対する情熱や欲望、ニッチな性癖を洗いざらい打ち明け認められた者だけがこの楽園へと足を踏み入れることが許されるのだ。そして女性は『革姫仲間』として館内のありとあらゆる革手袋を堪能し、時には拘束された男を心行くがままにその革手袋を嵌めた手で犯し、征服していく楽しみが味わえる。そして男性は『獲物』として、革姫様・・・革手袋を嵌めた女性たちにたっぷりと可愛がってもらうことができる。

カタカタ・・・カタカタ・・・

そして彼女の黒革手袋に包まれた美しい指はここ『革手袋の館』の情報を発信しては、新たな『革姫仲間』や『獲物』にふさわしい人物を待ち続け、彼女が認めた者にのみその権利として入館のためのパスコードを配布する。

カタカタ・・・

“革手袋をこよなく愛する皆様の入館、お待ちしております🧤

キーボードの上を艶めかしく動き回り、そのメッセージを掲示板のトップ画面に書き込む黒革手袋に包まれた指は、まるでその甘い革の芳香で獲物を誘惑して捕らえ、二度と逃れられない快楽の中へ引きずり込む触手の怪物のよう。

通報 ...