Ksusumu様
本日はありがとうございました。
三年ぶりということで、Kさんのオーディオがどのように変化(進化)したのか、興味津々の訪問となりました。
結論的に申しますと、この三年間の進化は大変大きなもので、以前の何年間の分をはるかに凌駕するものと感じました。
Kさんが最終形に近づきつつあるというのも分かるような気がします。
音の特徴を一言で言うのならば”ウエルバランス”ということになりましょうか。これもまたKさんが大事にされているポイントで、高音がどうの低音がどうのというのが些末なことに感じられるほどまとまりの良い音が出ていました。
ある程度のまとまりの良さは以前の訪問でも感じられたことですが、今回はさらなる充実とそれに加えての奥行き感がプラスされていたのにはびっくりです。
我が家で効果を発揮しているインシュレーターやカーボンシェルを持って行ったのですが、これを使うとかえってバランスが崩れてしまうことも確認出来ました。
この点についてもKさんが手塩にかけて装置の調整を行っているのだから、一部だけ変えても良くはならないのでしょうね。
全体のバランスをとることが大事というオーディオの鉄則が身に沁みた瞬間でした。
グッドマンの2WAYスピーカーと3WAYによって再生ジャンルを分けているとのことでしたが、それについても納得できる音がしていました。
2WAYではアシュケナージのピアノが素晴らしかったし、3WAYではジョージ・セルのシベリウスが良く鳴っていました。
さらにその上をいっていたのが、ガラード301とSMEのアームとオルトフォンSPU-AEの組み合わせだったと思います。
最後に聴いたオペラとグリュミオーのヴァイオリンは見事というほかない絶妙なバランスでしたし、この点についてはガラード301の持つポテンシャルの大きさを感じざるを得ませんでした。
手に入れた301やSMEを自らの手でメインテナンスした効果が表れたのではないでしょうか。
高価なオーデイオ装置を導入しても良い音が出るとは限りません。要はどれだけその装置に愛情をかけてあげるかが大事で、その良いお手本を今日垣間見た思いがしました。
最後にアドバイスです。
古き良きオーディオの黄金時代、その時代の多くのカートリッジをお持ちのKさんですが、それぞれに装着するカートリッジを一つに決めて、アームの高さ調整を厳密にとるようにすると良いのかもしれません。
アームの高さは微妙に音に影響してくるのを私は感じています。水平になるようにするのが原則ですがレコードの厚さにも違いがありますし、一番良いところを耳で聞いて探し当てるのがベストのように思います。
オーデイオ装置の最終形が見えてきてからの「追い込み」もまたオーディオの醍醐味のような気がします。
さらなる進化を目指してお互いに頑張りましょう。
Shigetaさま
本日の卒業試験の結果は、辛うじて合格通知をいただけたと言うことで安心いたしました。
Shigetaさんのお話をお伺いした時にいつも感じるのは、相手の努力に対して共感の態度を示しながらも、さらに向上心を持ち続けることが肝要だという、長年教育者として中学生を指導されていたポリシーが感じられるものです。
そう考えて歳の差を数えると、小生はShigetaさんが教鞭をとり始められた頃の生徒と同じくらいの年齢ですよね。
最近になって音質的にはやっと満足ができるバランスを得られたと感じておりますが、またすぐに「音楽を楽しむ」と言う面だけでなく、「機械いじりを楽しむ」と言う欲求が頭をもたげてくると思いますので、Shigetaさんの仰る通りにカートリッジごとにアームの高さ調整をその都度面倒臭がらないで実施するなど、努力で解決できることはやって行きたいと考えております。
Shigetaさんはご自宅で長年愛用されているオートグラフ(モニターG)だけでなく、お仲間のタンノイGRFやJBLハーツフィールド、WEフルシステムなど、オーディオマニアが憧れる超弩級システムなどの試聴経験をお持ちですが、我が家のようなそれほど高価でもない「箱庭的オーディオ」でもそれなりに満足のゆく音質を得られると言う評価をいただいたと受け取らせていただきました。
1950年代に販売されていたGoodmansユニットやStage Builtシステムと言った旧石器時代のVintage audioは、現代のオーディオと比較してもそれほど音質面で劣るものではなく、ほとんど姿を消し去ってしまった貴重なユニットなどは、古いが故に趣味のオーディオとして愛着の湧く世界なのかもしれませんね。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。