以下、1時42分、46分に千田さんがPHSで通話した際には、店舗付近のPHS基地局のカバー範囲にいた、という警察の情報(?)を前提にしますが。
千田さんが店に電話をし、電話に出た女性従業員に「コーヒーの入れ方を習いに1時過ぎに行きたいが店長はいるか」と話したと言うが、その時に女性従業員が店長と電話を変わり、店長が電話口で例えば「2時からにしてくれ」と言えば、「千田さんが2時に店に来る」という情報を、千田さんと店長だけで共有することが出来た。店長がこれを警察に言わなければ、また女性従業員がその言葉を聞いていなければ、女性従業員の「千田さんは1時過ぎに来る予定だった」という情報だけが残る。
これなら、千田さん自身は2時までに店舗に行けば良いという認識となり、店舗に行く約束の時間と言われている1時半過ぎまで、同じバスの路線にあるサティでウインドショッピングや買い物などをしていても特に不自然ではない。
店長は1時半まで店にいて、千田さんが来ないために店を出たということだが、上に書いたように仮に店長が電話口で「2時に来てくれ」と言っていたとするならば、店長は店舗を出たという1時半過ぎから、やってくるはずの千田さんを店舗近くで待ち伏せることは可能になる。
店舗のあるビル自体が店長の所有であったとのことであり、二階は居住スペースだったらしく、また写真で見る限り店舗スペースの裏手は人目に付かない空間がありそうであり、例えば「(ビルの)二階の部屋でコーヒーの入れ方を教える」などと誘導出来るような、人目に付かない空間が存在した可能性はある。あるいは「別の場所でコーヒーの入れ方を教える」と言って、自動車に乗せた可能性も考えられる。
これなら、男友達が1時46分に2回目の電話した際に「背景音がせず、室内にいるような気がした」という証言とも合致する。
以上のように考えれば、店舗を訪れる予定とされた1時を過ぎてもサティで買い物をし、しかしその後1時半過ぎにやはり店舗に向かったことの説明は付く。
北朝鮮による拉致説もあるが、昼間に、かつ道路には交通もあり一応人目のある通りで拉致を実行するには、工作員側からすればリスクがあり過ぎて、拉致を実行する状況とは考えにくい。
拉致には、周囲の状況からその場でターゲットを決めていきなり拉致する場合や、あらかじめ拉致するターゲットを決めていて尾行も行いながらチャンスを見て拉致する場合などがあるとのことだが、いずれにしても拉致をする工作員側から考えると、現場は人に見られるリスクや、場合によっては通行人に阻止されるリスクもあり、可能性は低いように思う。
仮に、工作員が事前に千田さんをターゲットに決めていて、計画性を持って事前に顔見知りになっていれば、騒がれずに声を掛けたり近づくことも可能だろうが、店舗に向かおうとしていた千田さんを他の場所に誘導出来る可能性は低いように思うし、計画的に拉致を実行するのに相応しい状況だったと思えない。
もちろん突発的に拉致を実行する状況としても相応しくない。