おんJ艦これ部Zawazawa支部

おんJ艦これ部町内会 / 230

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村雨の夫 2017/07/25 (火) 12:51:26 修正

【夏休みを迎える前に(2)】
朝霜が役者(モデル)としての仕事を務めたように、僕もまた、あの企画のメンバーとして、夏の仕事をする。すなわち、講演会――『宝石』と『光崎』の合同イベントである。
『海』の日に合わせたタイミングで、僕と雲龍さんで書店を巡るイベント。残念ながら、グラーフ氏は都合が合わなかったらしい。なんでも他の仕事やら、知己の旅行のコーディネートだか…?詳しくは知らないけれど、どこにおいても引っ張りだこ、ということらしい。

幸か不幸か、当日はよく晴れていて人でも多く、はっきり言ってえげつない陽射し……。地元から少し離れた土地ということもあって、これが結構大変だった。
そんな中でもおめかししてはしゃいでいた小学生四人には、まったくかなわない。

午前、午後、夕方で三店舗でトークショーは、大過なく終了。
結局、過保護な僕の提案もむなしく三人が一枠ずつ出演することに。まずは午前で朝霜が手本になり、夏の暑苦しさを中和する山雲ちゃん、日の暮れるには少し早い時間に月が登った。
それぞれのキャラのイメージと、素の本人の両面で、場を和ませられていたと思う。緊張はしていたけれど、いい経験になったようだ。彼女たちのサイン本は貴重!ゲットした方は大事にしてくれ。

朝霜は元気な姿を、山雲ちゃんはマイペースな返答を。睦月は袖でちょっと眠そうにしていたのが心配だったけど、舞台に上がれば思ったよりハキハキ応えていて、子供の成長には驚かされる。
三人とも、ファン増えたんじゃないかな。「次回」は、過保護な僕としては予定してないんだけども…どうなるかな。

雲龍さんの舞台不慣れが問題に上がってはいたものの、旧知の飛龍さんを司会に迎えての進行のおかげか、何とか緊張も解れたようだ。村雨ちゃんお手製の髪留めと、クリスマスのときの眼鏡も、少しは気を紛らわす効果があったらいいんだけど。
ともかく、おかげで先生からは創作論から技法まで、興味深い話を聴けた。

一方の僕も、巧いこと振ってくれて話しやすかったな。待つ者として、提督としての経験とか…舞台演劇文化についてとか…今年も暑くてしんどいとか…あと、少しだけ新作の話とか。
ざわめきを直に感じながらしゃべるのは、舞台とも執筆とも違う喜びがある。飛龍さんの段取りが割合ざっくばらんだったのも、気楽でありがたかったかも…お衣はきっちりしすぎなんだよな。
いつもはお客さんの顔を見る余裕はあんまりないんだけど、今日は笑顔のお客さんの顔がよく見えた。……見覚えのある顔もあった。如月ちゃんも清霜ちゃんも、雲龍さんに会いに来たんだろうか。そんなことを考えられるくらいには、リラックスして舞台に上がれたということだろう。よかった、よかった。

出番のなかった子供三人を控室で制した村雨ちゃんと雲龍さんの旦那さん。そちらもなんだかんだと楽しくやっていたようでなにより。作家の伴侶としての苦労話でもしてたのかね…。
朝雲ちゃんは結局、ついてきて舞台袖から見てるのはちょっとだけ可哀そうだったかなぁ……と思ったけど、気にするほど落ち込んでは見えなかったし、よかったのかな。

夏の計画やら、誕生日の話やら、通知表で勝負とかとか、暑くて熱い話が弾んでいたようだ。
海の日から間をおかずに訪れる朝霜の誕生日と、そこから一週間もしない睦月の誕生日。如月ちゃんと清霜ちゃん、引率のサラトガ先生とも合流しての12人打ち上げとはまた別に、お楽しみに。

地元に帰って、風を感じる。薫りを感じるほどの潮風というわけではないけれど、都会の熱風とは確かに違う風は、海から流れ込んできている。今宵も星は瞬き、海を征く人たちの指針となってくれているのだろうか?
僕らの、この子たちの旅路はまだまだ続いていくけれど、なるべくなら穏やかな航路(みち)で、輝かしい宝石に辿り着くことができればいいな。少し傲慢かもしれないが、思わずにはいられない。

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