おんJ艦これ部Zawazawa支部

おんJ艦これ部町内会 / 225

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村雨の夫 2017/06/17 (土) 10:30:39

冷蔵庫にはまだ人参がある。それをわかっていても、買うしかないと思わせる安さだった。
だから買った。僕の裁量だ。それならば当然、買った責任もまた、僕のに返ってくるのだ。

「おまちどーさま」
「今日はパパがごはんつくったの?」
「そうだよ~。はい」
お行儀よく待っていた睦月が、興味津々に問うてくる。自分の前に置かれた皿を覗き込んだ朝霜は、皿の中の異変に気付く。
「……父ちゃん、これは?」
「カレーだよ?ちなみに鎮守府では毎週『金曜日に」カレーを出す習慣がある』だろ?」
セリフを完全に重ねられて、少し驚く。
「金曜カレーのたびに言ってたら、そりゃ覚えるわよね」
少し呆れた気配を滲ませて、村雨ちゃん。彼女の両手には大人サイズのお皿。

「そうじゃないよ。…何さ、この人参」
「嫌いだっけ?」
「いや、嫌いじゃないけど。なにこの量」
「えー…いつもの4倍くらい」
「「4倍…!」」
そう、4倍。掛け算は二人とも大丈夫かな?四則演算はいつでも大事だぞ。
「たまにはいいでしょ?」

「よくないわよ、もう。こっちにも計画ってものがあるんだからね」
「う、ごめんなさい」
苦笑いでお互いに見合わせて、すぐに笑う。
「ま、たまにならいいのはホント。ふたりもお料理したくなったら言ってね?」
「はーいっ!」
「はーい」
「さ、食べましょ。ちょっといいカレーが冷めちゃうわ」
「手を合わせて、いただきます」
「「「いただきます」」」

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