おんJ艦これ部Zawazawa支部

おんJ艦これ部町内会 / 213

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村雨の夫 2017/05/22 (月) 21:39:06 修正

「その言い分もわからんではない…けどさぁ」
「私としてもそんなにいい気分じゃないよ?でも、上からの提案だし……」
「何々?何のご相談かしら?」
考え込む僕とお衣に割って入るのは村雨ちゃん。その手元の盆には三人分の紅茶。
普段は気安く、あるいは真面目に行われる打ち合わせが、苦々しい雰囲気の中で進行している。悪い意味で珍しいこの状況に、彼女の言葉選びは軽々しくも、心配の声色をしている。

一服入れてから、お衣が切り出す。
「……『宝石』と『光埼』、発売に合わせて色々やることになったの」
「旅行会社とタイアップ打ち出してくのはいいんだ。その辺はパイプ持ちの飛龍さんと出版社の企画部、お偉方でこう…キャンペーンを主導する感じだそうだし。青葉も旅に強いから、重宝されるらしい」
「ふんふん。それで?」
紅茶に口をつけて、村雨ちゃんが先を促す。
「会議の中で、それと加えて現場の先生も定番のサイン会とか、講演会をやろうって話にもなったのよね」
「普通…よね。あなたも結構慣れてるじゃない。何か問題でも?」
「慣れてるね、ありがたいことに。……僕は、ね」
「……ははぁ?」
わが妻は察しが良くて助かるよ。

「問題一、雲龍さん」
「あんまり人前に出ないって話だったわね」
「その辺は飛龍に交渉投げてる。これは一番付き合いが長い飛龍が話すしかないわ」
「だから、ここは気にしても仕方ない」

「問題二、発起人のグラーフ氏……は、忙しい人だからね」
「これも飛龍が請け負う部分ね」
「なんか飛龍さんへの負担大きくなーい?」
「人の向き不向きっていうか、連絡取れるのが飛龍さんだけみたい」
「だけっていうと語弊があるけどねー」

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