おんJ艦これ部Zawazawa支部

おんJ艦これ部町内会 / 191

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村雨の夫 2017/01/31 (火) 23:58:24 61018@e1a59

先の土日で、出版社と航空社の協賛公演が行われた。
半年間磨き上げてきただけあって、大きなミスもなく、アドリブまで入れる余裕をもっての終演だ。
昼夕公演を連日は子供たちに負担が大きいかと思い、過保護な父としては当初反対していたのだが、終わってみれば全く杞憂だったようで。エネルギーを余らせてカーテンコールでも大騒ぎ…とはいかないけれど、ちゃんと舞台上では女優であった。

そんな女優たちも、今は少女としてぐっすり。
自分たちの劇が、自分たちの想像以上に好評なことも、三人娘宛ての手紙やプレゼントが届いていることも知らない。
(自分たちの『芸名』が「雰囲気とやる気を出す」ことは二の次で、本名を出すことに対する僕の過剰な――七光り呼ばわりとか、個人情報とかへの――心配から発案されたことも、もちろん知らない。Senこと川内のラジオでは「知り合いの子が~」と言っていたこともあって、三人ともどこかの事務所所属だと思われているはず)
色んな事があるけれど、そういうのは全てが終わってからでいい。
今はただ、夢を見せて、夢を見ていてくれればいい。

「ね、――くん」
「なに?」
「いい夢、見ましょうね」
「……ん。一緒にね。おやすみ」
「おやすみ。…きゃっ」
ただの気まぐれか、いつかの口説き文句の引用か。偶然にも、娘に願ったことを言い当てられた格好になる。
心を読まれた気がして、気恥ずかしくなって、愛しい彼女を抱き寄せた。

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