仏教のお話

般若心経 / 5

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ダルマ太郎 2023/09/16 (土) 22:09:39 修正 >> 2

般若波羅蜜多心経の解釈-1
タイトルの意味

般若とは、サンスクリットのプラジュニャー prajñā の音写です。「教訓、判断、識別、知能、知恵、智慧、目的、決心」などの意味があります。仏教で般若というときは、「智慧」を意味することが多いです。しかし、プラジュニャーの音写が般若だというのは合点がいきません。もしかしたら、パーリ語のパンニャー paññā からの音写かも知れません。

智慧とは、事象の背後にある真理を見極める能力のことです。この真理は、眼耳鼻舌身によって知りえるものではなく、思考によっても分からないことです。不可思議であり、言語道断ですから、言葉によって伝えることもできませんから、普通の人では見極めることは難しいとされます。

波羅蜜多とは、パーラミター pāramitā の音写です。「完成・到彼岸・度」などの意味があります。般若波羅蜜多で、「智慧の完成」を意味します。

心とは、フリダヤ hṛdaya の訳です。「心臓・肝要・中心・核心・本質・最良の部分」などの意味があります。よって、般若波羅蜜多心で、「智慧の完成の肝要」という意味です。フリダヤには、「呪文」の意味があるともいわれます。

サンスクリット経典では、プラジュニャー・パーラミター・フリダヤ prajñā-pāramitā-hṛdaya ですので、経にあたるスートラ sūtra がありませんが、日本では、般若波羅蜜多心経というように、経をつけてタイトルにしています。

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