〜2日目BBQ〜
人には人の許容量がある。
それが大丈夫な人もいれば大丈夫じゃない人もいる。
そしてタイミングによってもその許容量の上限は変わるのだ。
という事で多摩川と利根川は炭火焼したマグロのカマを箸でほじくるという難行をこなしていた。
どちらも体力はそこで尽き、座っているのが精一杯。
多摩川はといえばせっかく温泉で汗を流したと言うのに焚き火とBBQの煙に燻され灼熱地獄を味わいついでに飯盒を失敗し、利根川は利根川でせっかくの牛サガリをまとめて黒焦げにするわカマを地面に落とし水洗いする羽目になるわで散々な状況であった。
昨日の様にバカルディ・スパイスドでキューバリバーやピニャコラーダなんて洒落たものを作ったりする余裕は無く、良い子時間の10時に就寝を決意する。
と言ってもそこに気に入らない物などあるはずもなく、ただ許容量を超えた心地の良い疲れがあっただけである。
最終日
3日目
〜泳ぐ?〜
「ワァ……」
今日も一瞬ちいかわの産声を隣で聞いた気がする。
気にしてはいけない。
奴は二次元に生息している生き物だ。
伊豆の山奥で生まれることはない。
やがて全身が脱力しきった様子の利根川が起きて来た。
この脱力具合で泳げばおそらく昨日の2倍は速度が出るはずだけど、海入ったら目覚めて硬くなるのかなとか他愛ない事を考えながら今日の計画について話し合う。
泳げるなら泳ぎたいが初日の事を考えると移動には少なくとも6時間と考えるべき。
なお現在は8時半で食いっぱなしのNO片付け状態、まるで野生動物に荒らされた趣すらある。
しかもレンタカー返却は19時ならどう考えても無理なので帰り道どこかに寄って美味しいものを食べたりするのが良いだろう。
利根川は無事に海に狂わされたので最後までどうにか泳げないか考えていた様子であった。
いや、信じた多摩川もポンコツではあるけど伊豆まで2時間説を提唱したのは利根川な事を忘れていない。
北海道と違って本州は土地が狭くて混むのですよ。