植物の「科」と「属」の決め方
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植物の「科」と「属」は、生物分類学における分類階級の一つであり、同じような特徴を持つ植物のグループ分けに使われます。
科は「目」の下、「属」の上位に位置する階級です。同じ科に属する植物は、花、葉、果実、種子などの形態や構造、遺伝子、染色体などの性質において共通の特徴を持つことが多いです。
属は「科」の下、「種」の上位に位置する階級です。同じ属に属する植物は、科レベルでの共通点に加え、より具体的な形態や構造、遺伝子などの性質における共通点を持つことが多いです。
「科」と「属」の決め方は、主に以下の要素に基づいています。
形態
花、葉、果実、種子などの形態は、植物分類において最も重要な指標の一つです。花の形や大きさ、葉の形状や脈序、果実の形状や大きさ、種子の形状や模様など、様々な形態的な特徴を比較検討することで、科や属の境界を判断することができます。
構造
植物の内部構造も、分類において重要な手がかりとなります。茎や根の構造、維管束の配置、細胞の構造など、内部構造を調べることで、科や属の関係性を推定することができます。
遺伝子
近年では、DNAの塩基配列情報に基づいた分類も行われ始めています。遺伝子情報に基づいた分類は、形態や構造に基づいた分類よりも客観的で正確な結果が得られるという利点があります。
染色体
染色体の数や形態も、分類において参考になる情報です。染色体の数は種によって決まっており、染色体の形態も科や属レベルで共通の特徴を持つことがあります。
これらの要素を総合的に考慮することで、専門家は植物を科と属に分類していきます。しかし、科や属の境界は必ずしも明確ではなく、議論の余地がある場合もあります。
以下に、ユリ科とバラ科を例に、科と属の決め方についてもう少し詳しく説明します。
ユリ科
ユリ科植物は、以下のような共通の特徴を持っています。
地下茎を持つことが多い
花は6枚の花被片を持つ
果実は蒴果または漿果である
これらの特徴に基づいて、ユリ、チューリップ、スズラン、キキョウ、ネギ、ワサビなどがユリ科に分類されています。
バラ科
バラ科植物は、以下のような共通の特徴を持っています。
バラ型の花を持つ
果実は偽果である
葉は互生し、托葉を持つ
これらの特徴に基づいて、バラ、ナシ、さくらんぼ、もも、アンズ、イチゴ、キイチゴなどがバラ科に分類されています。
このように、植物の科と属は、形態、構造、遺伝子、染色体などの様々な要素を総合的に考慮して決められています。