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新卒3年以内の退社が3割に 離職理由は「社風に合わない」「人間関係」

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新規学卒就職者(大卒)の入社1年目での離職率は10.6%(2020年度)、就職後3年以内での離職率は31.2%(18年3月卒業者)に上る。コロナ禍の拡大が真っただ中だった昨年は、新卒者の募集中止や採用枠を絞るなど、厳しい就職戦線が伝えられた。ところがこうした厳しい採用環境の中でも入社1年目で1割を超える新入社員が退職。さらに就職後3年以内では新規学卒者の約3割が退社しているのである。厚生労働省若年者・キャリア形成支援室が10月22日、新規学卒就職者の離職状況を公表した。それによると新規学卒就職者(18年3月卒業者)の入社後3年以内の離職率は31.2%となった。1年目の離職率は11.6%、2年目11.3%、3年目は8.3%だ。離職率が最も高い業種は宿泊業・飲食サービス業(51.5%)で、生活関連サービス業・娯楽業(46.5%)、教育・学習支援業(45.6%)、医療・福祉(38.6%)、小売業(37.4%)と続く。人材採用に企業は多くのコストをかけるが、とくに新規学卒者の採用ではコストが増える。大手電機メーカーの幹部社員が実情を語る。「会社説明会やエントリーシートの作成、大手求人サイトの利用やインターンの経費、リクルーターの経費など、学生1人に約200万円のコストがかかっている。新規学卒者が3年で辞めるのはある程度織り込み済みですが、最近はさらに退社期間のハードルが低くなり、半年、中には3カ月で退社するケースも増えてきているんです」まさに企業にとって新規学卒者の扱いは深刻な問題となってきているのだ。新入社員が早期離職した理由について、労働政策研究・研修機構が今年の3月にデータを公表している。それによると3年未満に離職した理由のトップは男女とも「労働時間・休日・休暇の条件がよくない」で、男性は38.1%、女性は36.1%。続いて「賃金の条件」「人間関係がよくなかった」が上位にある。ただ、入社1年未満の離職理由では男性、女性とも「人間関係」がトップになっている(男性43.7%、女性48.3%)。こうした新規学卒就職者の早期離職について、中央大学文学部の山田昌弘教授がこう指摘する。「私のところの学生も数人、入社1年目で離職しています。これまでは2~3年は社会人としての経験だから我慢しろと言ってきたんですが、最近の学生は『社風に合わないところに入社した』という理由で辞める。入社しても1~2年はお試し期間で自分に合った会社を探す傾向が強まっています。働き方改革は上からの指示ではなく、すでに会社や上司も下(新入社員)に選ばれる時代になってきています」会社は新人の対応を考え直さなければいけない時代になってきた。

(2021.12.2 日刊ゲンダイ)

オフィスタ
作成: 2021/12/02 (木) 10:41:25
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